一流選手のフットワーク
ジョーダンやコービーのポストプレー。
アイバーソンのクロスオーバー。
ジノビリのユーロステップ。
彼らの必殺技はスムーズで滑らかなフットワーク・ステップワークに支えられています。
あらゆる方向に自在に動けるフットワークで彼らはディフェンスの逆を突き、得点を重ねる。
動画のタイトルにもあるように「The art of footwork」。
まさに芸術的なフットワークで相手とのズレを作り出す。
ディフェンスでも名手と呼ばれるゲイリーペイトンやスコッティピッペン、トニーアレン、エイブリーブラッドリー、パットベバリーといった選手は優れたフットワークでオフェンスの動きをシャットアウトします。
彼らのフットワークは軽く、素早く、スムーズであらゆる方向に瞬時に動くことができる。
本日は彼らがなぜ芸術的なフットワークを発揮できるかをお話していきます。
骨盤が前傾するとフットワークが軽くなる理由
NBA選手、特に黒人選手の体型の特徴として腸腰筋が発達して骨盤が前傾してヒップアップしています。
それと同時に胸椎の後弯が効いて脊柱のS字カーブが効いた体型になります。



お尻と背中が大きく盛り上がって脊柱がクッキリとS字カーブを描いていますよね?
このような体型だと軽く素早いフットワークで動くことが可能になるんです。
その理由を説明していきましょう。
まず、骨盤が前傾して脊柱のS字カーブが効くと骨盤や胸椎の上に被さるようにお尻が背中の筋肉がつきます。

お尻や背中などの大きな筋肉が上についているということは身体の質量の中心が上にあるということ。=重心が高い。
重心が高いものは倒れやすく、不安定です。
この倒れやすく、不安定というのがポイント。
倒れやすいということは少ない力で動きやすいということですし。
どの方向にでも素早く動けるということです。
その結果
・動き出しが早くなる
・ボールや相手への反応が早くなる
・次の動きに移りやすい
などのメリットを享受でき、それが自由自在なフットワークを可能にします。
逆に日本人の多くは骨盤が後傾しやすく、お尻や背中が平らで盛り上がっていない体型になりやすい。
すると、お尻や背中の筋肉が骨(骨盤や胸郭)に被さらないので筋肉が重力に負けて下にずり落ちてついてしまいます。
筋肉が下につくということは質量の中心が下がった位置にくる。=重心が低い。
重心が低いということは、倒れにくく、ドッシリと安定します。
一見、良いことのように見えますが動き出しの速さや切り返しの素早さという観点から見るとデメリットしかありません。
倒れにくく安定しているものを動かすには大きな力が必要になりますし。
動いている方向を切り替えるのにも時間がかかる。
・動き出しが遅くなる
・ボールや相手への反応が遅くなる
・次の動きに移りにくい、切り返しの動きが遅くなる
また、人体の構造上、骨盤が前傾すると股関節のハマりが深くなって安定するので骨盤と大腿骨を安定させるための靭帯が緩みます。
すると脚が軽く、自由に動くようになる。
逆に骨盤が後傾すると股関節のハマりが浅くなってしまい、身体は靭帯で締めることで股関節を安定させます。
すると股関節が靭帯でロックされた状態になり、脚がスムーズに動かなくなる。

つまり、NBA選手のフットワークが軽く・素早く・自在なのは骨盤が前傾していて重心が高く、股関節の靭帯が緩んで脚を自由に動かせる体型だからなんです。
NBA選手のパワーポジション
バスケはほとんど全てのプレーがパワーポジションから行われます。
NBA選手のパワーポジションに着目すると骨盤が前傾して腰椎が前弯している。
それに伴い胸椎が後弯して脊柱のS字カーブが効いています。



背中の盛り上がりが大きく、腰が前に入って骨盤・お尻が高い位置にありますよね?
先ほども書いたようにパワーポジションでも重心が高い=様々な方向に動きやすい。
骨盤が前傾しているから股関節の靭帯が緩んで脚を自由に扱うことができる。

また、このような姿勢だとハムストリングスが引き伸ばされてその力が使いやすくなる。
ハムストリングスは股関節を伸展させて身体を前に進ませる筋肉なので地面を瞬時に強くキックすることができます。
結果、脚が軽やかに・素早く動くようになり、瞬時に目の前の相手に反応して方向を変えることができるようになります。
逆に骨盤が後傾していたり、前傾が不十分だと骨盤やお尻が後方に落ちてしまう。


NBA選手のパワーポジションと比べるとお尻が後ろに、下に落ちている、腰椎の前弯が小さくて腰が後ろに丸まって見える、背中の盛り上がりが小さく平らなどの特徴があります。
これは骨盤が後傾している、前傾が不十分であることにより脊柱のS字カーブが小さくなる、股関節ではなく膝を曲げたり、脊柱を折り曲げてパワーポジションを取っているから。
このような姿勢だと身体の重心が後ろに、下に落ちてしまう。
股関節のハマりが浅くなり、靭帯でロックされて脚が自由に動かない。
大腿四頭筋が効きやすくなって膝を伸ばす力で姿勢を保持しているから
常にブレーキが働いてフットワークは遅く、鈍くなってしまう。
もちろん、全ての日本人がそうだというわけではなく身体能力が高い選手、プロの選手はNBA選手、黒人選手に近い体型をしています。

(ただ、それでもNBA選手のほうがより重心が高く、より脊柱のS字カーブとハムストリングスが
効いた体型であることが多く、それがフットワークのレベルの差を生んでいる)
NBA選手のような芸術的なフットワークに近づくためには?
NBA選手が華麗なフットワーク、ステップワークを発揮できるのは骨盤が前傾していて重心が高く、股関節が自由に使える、ハムストリングスをフルに使える体型だから。
だから、フットワークのレベルを上げたいならまずは彼らのような体型に近づく必要があります。
もちろん、彼らは重心を高くした姿勢を取ろう、骨盤を前傾させよう、ハムストリングスで動こうなどと考えたり意識しているわけじゃありません。
無意識に・勝手にそうなるところに彼らの凄さがあります。
なのでココまで書いてきたことを意識的にやろうとするのは絶対にやめてください!
ドリブルを練習しているのに、ディフェンスを練習しているのに相手を抜くことができない、ズレを作ることができない、オフェンスにいいようにやられる。
それはもしかしたらあなたの練習量が足りないのではなく、あなたの体型に問題があるのかもしれません。
バスケが上手い選手も下手な選手も、NBA選手も日本のプロ選手も全く別のテクニックや動きを使っているわけじゃありませんよね?
しかし、フットワークが軽いか重いか、素早いか鈍いかで同じテクニックや動きを使っていてもキレやスピード、スムーズさに差が生まれる。
脚が自由に動かない体型だったら、どれだけ練習をしてもフットワークは重く・鈍いまま。
頑張って練習しているのに上手くなれない、上手いやつに勝てないまま時間が過ぎていく。
もし、あなたのフットワークが鈍くディフェンスを抜けない、オフェンスを止めることができないのなら。
その本当の原因は何のテクニックを使うか?やどんな練習をしているか?じゃない。
素早く軽いフットワークを発揮できる体型かどうか?
ここが本当の原因、課題だったんです。





