バスケでミスをしたとき、誰もがこう思うはず。
ミスしてしまった。
今のはこうしていれば、ああしていれば上手くプレーできた。
ドライブしたときシュートをブロックされた→今のはパスだったなあ。
パスをカットされた→次はディフェンスの動きを見てカットされないように。
そんなふうにミスを分析して、修正しようとする。
どうすれば上手くプレーできるかを考える。
しかし、それがドツボにハマっていると言ってるんです。
あなたはこれまで、どれだけ自分のバスケを分析してきたのでしょうか?
どれだけ上手くプレーするための情報をネットや本で調べてきたのでしょうか?
散々、バスケを分析して、勉強してきても。
あまり上手くなれてない….
これが本音なのでは?
なぜなら、バスケで良いプレーをする秘訣は
考えないこと
だからです。
こうしよう、ああしよう、という思考がプレースピードに追い付くわけがない。
だから頭の中がグチャグチャになって、集中力が目の前のプレーから頭の中に飛んで行ってしまう。
バスケに限らず、運動というのはどこまでいっても無意識・直感がものを言います。
考えれば、考えるほど。勉強すれば勉強するほど。
頭の中に邪魔な意識・思考がこびりついて上手くプレーできなくなります。
自転車に乗れたとき、身体の使い方やコツなんかを意識してましたか?
ドッジボールで遊んでいた小学生のとき、ボールを相手に当てるためのコツなんか勉強しましたか?
子どもはスポーツの上達速度が速いとよく言われます。
それは考えてないから。
僕たちは大人になると、考えながらプレーしようとします。
この技を使えば相手を抜ける、こうすればフリーになれる。
「こうすれば、ああなる」という上手くプレーするための方程式を探してしまいます。
けど、ないんですよ。そんなものは。
トップアスリートは
「何も考えてない」「身体が勝手に動いた」「普通にプレーしてるだけ」
「特別な練習なんてしていない」「直感でプレーしろ」
そう口をそろえます。
彼らは何も考えていないんです。
今まで必死にバスケを分析、勉強して。
理屈で考えながらバスケをしていた人にとっては
「これまでおれがやってきたことは何だったんだ…」
と絶望してしまうかもしれませんが。
これが答えなんです。
僕自身、バスケやってて相手を抜いたり、パスを通したり、シュートを決めます。
けど、何で相手を抜けるか?何でパスを通せたか?何でシュートが決まるか?
そんなことを聞かれても分かりません。
だって何も考えてないから。
後からはいくらでも言えますよ。
ディフェンスが右に反応したから左を抜いた。
ヘルプが自分に引き付けられて、そこにフリーができるのが分かったからパスを出した。
相手がシュートをチェックできない状態だったからシュートを打って決めれた。
けど、フェイントで抜いてやろうとか、ここにパスが通るとか、こう動けばフリーになれるとか。
そのプレーをやってる最中は全然そんなこと考えてないし、考えてる暇なんかない。
全部後付け。
そんで、こうやって抜いてやろうとか考えてしまってるときに限ってミスが生まれる。
いいですか?
バスケは感覚・直感・無意識です。
意識や思考なんてものはプレーの邪魔をする異物でしかないわけです。
ただ、目の前のプレーに集中する。
何回もプレーして感覚を掴む。
その中で自然と無意識のうちにできなかったプレーができるようになる。
あなたの身体はあなたが思っている以上に高性能なんです。
例えていうなら、スーパーコンピューターです。
勝手にできるようになってしまう。何も考えなくても、瞬間的に反応して
相手を抜けてしまう。ナイスパスが出せる。シュートを決められる。
そんな能力があなたの身体にはある。
考えるから、意識するから、それがバグになってシステムエラーを起こすんです。
テニス選手のイバノビッチはこんな言葉を残しています。
どうやって階段を降りているかなんて考えていたら、転がり落ちちゃうでしょ?
バスケは考えれば考えるほど、分析すれば分析するほど、勉強すれば勉強するほど
上手くいかなくなってしまいます。ミスも減りません。
確かに「考えたほうが」上手くなるように見えますが、それは錯覚。
言葉では説明できないけど、何でか分からないけど上手くプレーできる。
これがバスケ上達の正解です。