アレンアイバーソン。
僕がバスケを好きになるきっかけになった選手であり、今でも一番好きな選手です。
クロスオーバードリブル、得点能力、ファッション、生き方…
どれをとっても本当にカッコいい。
彼の1対1は誰にも止められませんでした。まさにアンストッパブル。
では、なぜアイバーソンはあれだけ得点を量産できたのか?
その理由を書いていきます。
もし、あなたがアイバーソンのような得点力、1対1の強さを身につけたい。
もっと点が取れる選手になりたい。
それならぜひ、この先を読み進めてください。
あなたの得点力を上げることにも直結しています。
相手と駆け引きすること
結論から言うと、アイバーソンがあれだけ点を取れるのは相手と駆け引きして
その勝負に勝っているからです。
勘違いしてほしくないのがテクニックを使っているからではないということです。
アイバーソンのクロスオーバーはそりゃあもう有名です。
ですが、アイバーソンはクロスオーバーを使っているから相手を抜けるわけではない。
シュートを決めれるわけではない。
相手との駆け引きに勝っているからです。
アイバーソンには色んな得点パターンがありますけど、ここでは分かりやすく
ドリブルからの1対1について見ていきます。
アイバーソンのクロスオーバーは100%抜けるかというとそうではありません。
ディフェンスが上手く、コースに入られて止められることもあります。
しかし、その場合アイバーソンはステップバックでスペースを作りジャンプシュートを打ったり。
スピードを緩めて、油断させてからもう一度スピードを上げて抜き去ったりします。
また相手がドリブルを恐れて離れて守っているときは、普通にジャンプシュートを打って決めます。
相手が距離を空けてなければ、ドライブを仕掛けますが、このときもいつもクロスオーバーを
使っているわけじゃありません。まっすぐシンプルにぶち抜いたり、レッグスルーでいくときもあります。
彼がアンストッパブルなのは相手の反応を見て、その逆を突いているからです。
いくらアイバーソンのクロスオーバーがすごくても相手もNBA選手です。
それだけしかやらなかったら簡単に読まれますし、止められます。
テクニックは駆け引きの後についてくるもの
バスケで重要なのは相手の逆を突くことです。
テクニックを丸暗記して相手の反応をフル無視して決め打ちのプレーをすることではありません。
よくバスケ教材ではクロスオーバーのコツ、とか止められない1対1のテクニックとかありますよね。
でも、冷静になって考えてください。
クロスオーバーを仕掛けても、何かの技使っても。
100%シュートを打てる、相手を抜けるテクニックが存在するはずありませんよね?
相手に読まれてたら、どんなテクニック使ったとしても止められます。
アイバーソンは何か特別な技やテクニックを使っているから止められないのではありません。
相手との駆け引きに勝ってるから、止められないんです。
どれだけバスケの教材でテクニックを勉強しても、実戦で重要なのは相手の逆を突くことです。
覚えてきたテクニックの発表会をすることではありません。
アイバーソンはディフェンスの反応の逆を突いています。
相手が下がったらシュート。止められたらスペースを作ってシュート。
フェイントに引っかかったらその逆を抜く。コースが空いていればまっすぐぶち抜く。
スピードを落として相手が止まったところで一気に加速して抜く。
このようにまず、駆け引きをして相手の動きの逆を突く。
まず駆け引きがあって、その駆け引きに勝つための動きをする。
駆け引きあってのテクニックやスキルであって。
テクニックやスキルがあっての駆け引きではない。
まず、駆け引きありきなんです。
駆け引きの力を磨くには?
僕は何度も駆け引きがバスケの本質の1つであると言っています。
では、この駆け引きの力を磨くためには何をすればいいのか?
それは常に相手がいる状態でプレーするということです。
相手がいない状態でのスキルと相手がいる状態でのスキル。
これは全くの別物であり、必要とされるのは当然、相手がいる状態でのスキルです。
相手がいない状態でどれだけドリブルが上手くても、技が使えても意味がありません。
重要なのは、相手がプレッシャーをかけてくる中で、それをかかわす・打ち破るスキルです。
例えばクロスオーバーをいくら練習しても、相手が離れて守っているならシュートを打つべきですし、
相手が詰めて守っているなら目の前でクロスオーバーをしてもボールを取られる可能性が高い。
相手がドリブルを警戒しているならシュートを打つ。
相手に取られないようにレッグスルーやロールで抜いていくという工夫が必要になります。
相手がいる状態では相手のプレッシャーに勝つために工夫が必要になりますが。
相手がいない練習では自分の好きな動きを好きなようにできてしまいます。
これだと相手がいる状態でのスキルは磨かれないのです。
僕は高校のときに、個人練習でドリブル練習をたくさんしていました。
同級生の中でも単純なハンドリングスキルやドリブルスキルは一番あったと思います。
でも、試合になると全然相手を抜けなかったし、ボールを取られまくっていたのです。
同級生に一試合30点くらいとるやつがいたのですが。そいつは中学の時地区選抜にも選ばれてました。
明らかにドリブルスキル自体は僕のほうが上でしたし、練習でもそこまで上手いとは感じなかった。
しかし、試合になると平均30点くらいとるんです。
ドリブルはクロスオーバーとか単純なチェンジオブペースしか使わないのに。
シュートはバンバン決めるし、相手にボールを取られないし。
まさに僕は練習は上手いが、試合は下手。テクニックはあるけどバスケは下手。そんな選手でした。
しかし、本当にバスケが上手い選手というのは。
練習はそれほど上手そうに見えないのに、試合になると見違えるように上手い。
テクニックがあるようには見えないのに、試合になるとパフォーマンスは高い。
どれだけ相手がいない状態で上手くプレーできても。
テクニックを詰め込んでも。
試合で使えないのなら何の意味もありません。
駆け引きがないテクニックというのは使えないのです。
では、具体的に何をすれば駆け引きの力が伸びるのか?
試合です。
もちろん1対1なども相手がいる状態でのスキルなので効果があります。
しかし、パスという選択肢がないのでマークマン以外との駆け引きは身につきません。
実際の試合では相手を抜いたらヘルプが来て、そのヘルプディフェンスとも
シュートをブロックさせない、パスを読ませないという駆け引きが必要になりますから。
だから、試合が最高の練習なんです。
常に相手がいる状態で駆け引きしながらプレーしなければいけないから、駆け引きの力が伸びます。
僕は以前に比べて、得点力は大きく上がりました。
前はどれだけ頑張っても5点とかでしたけど、今では15点とか20点取る試合もありますから。
でも、何か特別な練習をしているわけでもありません。
ドリブル練習とか、技の練習をしているわけではない。
ただ、試合を繰り返しているだけです。
そしたら勝手に得点力が伸びていったのです。
これはなぜかというと、さきほども言った通り、試合は常に駆け引きして
相手のプレッシャーに勝たないといけないから。
相手の逆を突き、プレッシャーをかわすという試合で使えるスキルが自然と身についていきました。
アイバーソンの原点はストリート=プレイグラウンドでの試合です。
あと練習嫌いでも有名でしたよね。
彼は試合の中で得点力を伸ばしていったのです。
どれだけテクニックを勉強して、それを丸暗記して使ったところで相手に読まれたら通用しません。
重要なのは相手がいるときに、どうやって駆け引きに勝つかというところです。
あなたは相手不在のバスケをしていませんか?
駆け引きを使ってプレーしていますか?
駆け引きを磨くための練習をしていますか?
駆け引きの力を磨くこと。
それがあなたの得点力を上げるために本当に必要な考え方です。
どれだけ相手を無視してテクニックを使ってもたまたま上手くいくことはあるかもしれませんが。
すぐに通用しなくなります。
だから、バスケの教材に書いてあるテクニックをいくら練習したところで何の意味もないのです。
あなたがもし、いろんなバスケ教材に書いてあったテクニックを練習しても上手くいかないと悩んでいるなら、
それは当然です。駆け引きがない、相手がいない状態でのテクニックだからです。
得点力を上げたいのなら、あなたがするべきことは駆け引きの力を伸ばすことです。
相手がいる状態でのスキル、プレーを磨くことです。
そのためにやるべきなのは試合です。
試合の経験値が上がれば上がるほど、駆け引きの感覚が磨かれ、
あなたの得点力は上がっていきます。