全力でプレーする。
がむしゃらに頑張る。
日本のバスケはそういうのが大好きですよね。
部活なんかでもがむしゃらに走りこんで。
とにかく体力つけて走り勝つ。
全力を出して必死にプレーする。
でもバスケの本質はそこじゃないです。
バスケの本質は駆け引きと判断力。
いかに相手の裏を突くか。
数あるプレーの選択肢の中からどのプレーをすれば得点につながるのか。
全力でがむしゃらにプレーするとここが見えなくなります。
例えばドライブ。
自分のフルスピードでドライブすると周りが見えません。
相手に止められたときや当たられたときにボディバランスも崩れやすくなります。
フリーになっている選手がいるのに見えないから
強引に無理なシュートになって外す。
相手にコースをふさがれているのにそのまま強引にいってミスになる。
僕が最近注目している選手にディアンジェロラッセルがいます。
彼は楽に、力を抜いてプレーしています。
ジョンウォールやウェストブルックみたいな
スピードでぶっちぎるみたいな選手と比べても。
そこまでスピードがあるわけではない。
でも相手を抜けるし、絶妙なアシストパスも通す。
これは駆け引きと判断ができているから。
相手の動きやフロアの状況をしっかり見てプレーしてる。
全力でドライブするとそのしっかり見るっていうのができません。
極端な例かもしれませんが歩いているときと全力で走っているとき。
どちらが周りの景色を見ることができますか?
バスケでは相手を見ることができなければいいプレーができません。
相手の反応やコート上の選手の動きをフルシカトしてプレーする。
自分が覚えている動きをただ出す。
それは単なる決め打ちのプレーです。
たまたま上手くいくことはあるかもしれませんが、
安定していいプレーはできません。
相手の反応に合わせてその逆を突く。
コート上の選手の状況に合わせて最適なプレーを判断する。
そのためには「見る」ことが大事で、そのための余力を
常に残しながらプレーしないといけないんです。
自分のプレーという動きにエネルギーを100%使うんじゃなくて。
駆け引き、判断ができる余裕を残しておく。
クリスポール、ジェームズハーデン、マイクコンリー。
彼らのプレーは基本的にゆっくりです。
余裕をもって動いておいて相手を、フロアの状況を見る。
そこから次のプレーを判断する。
だから安定して高いパフォーマンスができるんです。
バスケをプレーするときの目的は決してミスしてもいいから
全力でプレーするということではなくて。
高いパフォーマンスを発揮すること。
そのためには視野を広くもって相手と駆け引き、判断しながら動けないといけない。
余裕をもって、手を抜いた感じでプレーする必要があるんです。
バスケは決して全力を出し切るスポーツではありません。
全力で動けば動くほど、相手も周りも見えなくなって自滅します。
下手になります。