バスケが上手くなりたい…
そう思ってメチャクチャ頑張って練習してる、テクニックや動き方も勉強してる。
シューティングやドリブルドリル、1対1の技の反復を人一倍やってる。
NBAやバスケの教材、動画を片っ端から見まくってる。
それなのに上手くなれない、試合に出れないまま…
なぜか?
答えはシンプル。
試合の経験値が足りてないから。
プロになることは無理だとしても。
俺、上手くなってる!できなかったプレーができるようになってる!バスケが楽しい、面白い!って感じることができないのは試合の経験値、経験量が足りてないから。
終わり。
練習はどこまでいっても練習でしかない。
試合じゃない。
例えシューティングを1000本しても試合ではディフェンスの手が目の前にある状態でシュートを決めないといけない。
周りに味方がいる状態でシュートを打つのか、パスを捌くのかを判断しないといけない。
ドリブル練習をみっちりやって色んなテクニックを覚えた。コーンドリブルを完璧にできるようになった。
けど、試合ではディフェンスが手を出してくる。コースに入って止めてくる。
無駄なドリブルを突けば味方のシュートチャンスを消してしまう。
試合には練習では決して再現できないプレッシャー、タイミング、リズム、疲労・消耗、敵と味方の動き、状況判断、意思決定がある。
それらに対応する力を高めることがバスケが上手くなるということ。
敵と味方がいない状態でどれだけシュートが入るようになっても、どれだけ色んなドリブルが突けるようになっても、パターンやドリルを速く・正確にこなせるようになってもバスケが上手くなったことにはならない。
試合では自分のタイミングで、ドフリーでシュートを打てることなんてほとんどない。
ディフェンスのプレッシャーなしにドリブルを突けることなんてほとんどない。
大学の部活時代、私の先輩でめちゃくちゃシュートが上手い先輩がいた。
スリーはそんなにだったけどミドルシュートはマジで外さない。シューティングでは8~9割決めてた。
けど、試合になるとシュートが入らない、というかそもそも打たせてもらえない。
その一方で別のレギュラーの先輩は練習だとシュートが上手いように見えない。
けど、試合になるとディフェンスのプレッシャーがある中で何本もシュートを決めてた。
ディフェンスがいない、シュートを打てるのが前提になっている練習でのシュート。
目の前にディフェンスがいて、フリーになってボールを貰わなければならない試合でのシュート。
同じシュートというスキルでも求められる能力は全く違うことを二人の先輩は示していた。
また、当時の私は練習して色んなドリブルのテクニックを身につけていた。
レッグスルーからのビハインドバックやクロスオーバーからのロールなどのドリブルコンボはお手のものだったし、AND1のミックステープにでてくるようなドリブルも難なくできた。
「ドリブルだけ」を切り取ってみればレギュラーよりも私のほうが上手かったとさえ思う。
問題は試合になるとディフェンスに止められまくる、ボールを取られる、球離れが悪くて味方のフリーを潰してしまう。
一方でレギュラーの先輩たちはディフェンスをズバズバ抜いていく、ボールを取られない、ドリブルを使うタイミングが抜群でドリブルをいつ、どこで、どう使うかが私よりも圧倒的に優れていた。
敵と味方がいない練習でのスキルと敵と味方がいる試合でのスキルは全くの別物。
駆け引きと判断が不要な練習でのスキルと駆け引きと判断が不可欠な試合でのスキルは全くの別物。
私は自身の経験からこのことを学んだ。
どれだけ練習をしたとしても、それはあくまで練習であり、試合ではない。
試合でのパフォーマンスを上げたいのなら、試合の経験値を増やさなければならない。
練習で上手くなってから試合ができるという日本の常識はクソ
まずは練習で上手くなってから試合、下手なやつは練習して上手くならないと試合に出られない。
これが日本の常識として多くの人の頭にこびりついているのではないか?
特に部活をやってると意味不明なほど走り込みや基礎練習、ドリル・パターン練習に時間をかけるチームも少なくない。
厳しい練習をやってからやっと、しかもほんのちょっとだけしか試合をしない。
試合に出れない選手が山ほど生まれる。
まずは練習だ、上手くならないと試合に出られない。
この構造・環境が数えきれないほどの選手の才能をスポイルしている。
違う違う違う、そうじゃなーい♪(by 鈴木雅之)
まずは試合なんだよ。
上手かろうが下手だろうが、レギュラーだろうが補欠だろうがまずは試合。
むしろ下手な選手ほど、補欠の選手ほど試合を経験しないと上手くなれない。
昔のブラジルはストリートサッカー=試合で上手くなった選手がスカウトされてプロの傘下に入って練習をした。
そうじゃない選手=プロになる可能性がない選手は練習できなかった。
その環境がロナウド、ロマーリオ、ロナウジーニョといった化け物みたいな選手を多く生み出した。
昔のアメリカではストリートやジムでのピックアップゲーム=試合で上手くなってきた。
レブロンはピックアップゲームで上手くなったと語っているし、ジェイソンキッドも近所のコートでゲイリーペイトンを相手にして上手くなった。
ストリートサッカー、ピックアップゲームという大人や指導者からの指示を受けずに自由にプレーできる環境。
勝つために必要なことは何かを自分で感じ、敵と駆け引きして、味方と連携してプレーを独力で創造する時間。
試合が楽しくてしょうがない、面白くてしょうがない、こんな最高の遊びは他にないと思える経験。
親や指導者からのプレッシャーから解放されて伸び伸びとプレーできる経験。
そういう経験を徹底的にした選手が選ばれたチームで勝つために練習をする。
それが突出した、化け物じみた、個性溢れる選手を生み出す。
しかし、現代のブラジルではストリートサッカーが減ってみんなが練習するようになった。
アメリカでもピックアップゲームではなくスキルトレーナーによる個人レッスンやAAUのチームに所属して常に指導者のもとで練習して勝たなければならないプレッシャーがある状態でプレーするようになった。
=日本のようなまずは練習、まずは基礎、とにかく勝利という環境に近づいてしまった。
サッカーが教えられるようになると優れた選手が出てこないというのはセルジオ越後さんも言っているし。
ペレを率いた元ブラジル代表の監督、ジョアンサルダーニャはストリートサッカーがなくなればブラジルのサッカーは終わるだろうという言葉を残し、現実はその言葉通りになってきてしまっている。
レブロン、コービー、マットバーンズといった多くのNBA選手がピックアップゲームが減ったことやAAUの過剰な試合日程、商業化された仕組みを批判している。(指導者が選手の育成よりも勝って自らが有名になることを目的としていることや選手たちがスカウトされるために自分が目立つプレーをしようとすることなど)
ピックアップゲームでは勝ち残りが基本で勝てば試合をやり続けることができるが、負ければ何試合も待たなければならない。
それをモチベーションにしてレブロンは上手くなったと言っているし、その条件なら勝つことに真剣になるだろう。
自分が何をすればチームが勝てるかを考え、その試合での役割を見つける。
その中で得意なプレー、長所、強みを自分で見つけてオリジナルのスタイルを確立して表現する。
目立つためのプレーだけをしていたら負けるだろうし、チームメイトから批判されるはず。
オマエのせいで負けて次の試合まで待たないといけねえじゃねえか!って。
4:21~のウドニスハスレムの話を聞いてほしい。
うちの子どもたちはワークアウト文化のせいでこういうこと(マイク・ミラーが公園でよくプレーしてたよね?って声をかけられたり、モリス兄弟がNILのようなことをしてマネタイズして200ドルを得てジョーダンを買ったり)を経験できるか分からないからね。
彼らはジムに行ってコーチを雇い、コーチが全てのことをしてくれる。
息子をある日ピックアップゲームに連れていったら負けて、私に次はいつプレーできるの?と聞いてきた。
公園で負けるとこうなるんだ。4~5試合待たないといけない。
でも彼らはそれを理解していない。
ジムに行って2時間トレーニングして投稿して、それで仕事が終わったと思ってる。
試合でスキルを身につけ、磨くから試合が上手い選手がたくさん生まれる。
異なるレベル、年齢、体格、タイプの選手と試合をする中で何をすれば勝てるか、どこで勝てて・どこで勝てないのか、どう攻めればいいのか、誰に攻めさせるか、どう守るかなどの試合勘・勝負勘が徹底的に磨かれていく。
身体の強さでは勝てないけど、スピードで勝てる。
敵のほうが速くて強いけどテクニックで勝負しよう。
1対1だと止められるけど、オフボールでフリーになろう。
味方のインサイドがミスマッチだからそこを起点に攻めよう。
アイツは得点力があるから優先してボールを回そう。
このメンバーなら自分が一番点を取れるから俺が起点になって攻めよう。
マークマンをどうやって止めるか?味方のヘルプに行ったほうがいいのか?敵のスクリーンに対してどう守るか?
これらの能力を自ら身につけているのが海外の強豪国の選手。
その中から上手い選手が代表チームに選ばれて戦術を学ぶ。プロに入る前に基礎基本を学び直す。
日本では若い年代から指導者が1から10まで指示することも珍しくないだろうし、試合からかけ離れた分解練習を繰り返す。
その中から上手い選手が試合に出ることはできるが大人の指示なしで自らプレーを創造できる選手は少なくなるし。
下手な選手は試合に出ることすらできない。
私が大きく上達を感じたとき、そこには自由にプレーできる試合環境があった。
高校の部活のときはフットワークやドリル練習、パターン練習がほとんどだったけど社会人の練習に参加して試合の経験をたくさん積むことでレギュラーになることができたし。
大学の部活のときは補欠で試合に出れなかったし、キャプテンの先輩からはめちゃくちゃ怒られてた。
ヘタクソとか、お前にそんなプレーは求めてないとか言われて辛かったし、怒られないようにプレーしてた。
そこから社会人のチームに移籍したことで自由にプレーする楽しさ、自分の頭で上手くなるためには・勝つためには何をすればいいかを考える面白さを味わえるようになった。
そこから上達が加速した。
もう一度言う。
死ぬほど練習を頑張っているのに上手くなれない、試合に出れないのはなぜか?
その答えは試合の経験数が足りてないから。
これだけ。
本当に、これだけ。
上手くなりたいのなら試合の経験量を増やせ。
そこを練習が足りないから上手くなれないんだ、テクニックを知らないから上手くなれないんだと試合ではなく練習や勉強にますますフォーカスするからいつまでたっても上手くなれない。
バスケが上手くなるってことは試合が上手くなることだ。
で、試合が上手くできるかっていうのはどれだけ練習をしてきたか、どれだけテクニックを知っているかではなくどれだけ試合の経験を積んできたかで決まるんだよ。
