NBAやBリーグのハイライト動画、バスケインフルエンサーの1対1動画、スキルトレーナーの動画。

あなたはこれらの動画をたくさん見て上手くなろうとしていませんか?

 

もし、そうであるならあなたの脳みそは焼かれています。

バスケットボールとは何か?バスケが上手くなるとはどういうことか?を勘違いしたまま必死に練習を繰り返し、実際の試合になると何もできない、上手くいかないという状態になっているかもしれません。

 

今日はそんな焼かれたあなたの脳みそを私が正常な状態に戻します。

 

 

バスケが上手くなる=試合が上手くなる

 

バスケが上手くなる、とはどういうことでしょうか?

私は試合が上手くなること、つまり試合の中でシュートを決めることができる、カットされずにパスを通せる、ドリブルでボールをキープできる、ディフェンスをドライブで抜くことができる、オフェンスにシュートを決めさせないことなどをバスケが上手くなると定義しています。

 

大事なことなのでもう一度言いますけど、「試合の中で」です。

 

動画で見た1対1の技やドリブルコンボ、ピノイステップやビアステップを個人練習でメチャクチャ練習したとしましょう。

確かにそれらの動きは出来るようになるかもしれません。

 

しかし、そこには前後のプレーの繋がりや判断といったコンテキストが存在していない。

いつ、どこでボールを貰うのか?自分が攻めるべきなのか?味方に素早くパスを捌いたほうが点に繋がるんじゃないか?その1対1の技やドリブルをどのタイミングで使うのか?ボールを持ちすぎてオフェンスを停滞させていないか?フリーの味方が待ちぼうけになっていないか?自らフィニッシュするよりもパスを捌くべきではないか?

 

これらを感じることができなければ次のようなことが起こるでしょう。

ボールを貰うことができない。味方にパスを出したほうがいいのに1対1を仕掛ける、ドリブルを突きすぎてオフェンスが止まってその間にディフェンスの準備が整ってしまう、タフショットを乱発してターンオーバーを繰り返す。

 

バスケの練習とは技やテクニックといった「動き」ではなくディフェンスの反応、味方のポジショニング、選手それぞれの個性や強み・役割、残り時間、点差といった「状況」がベースになっていなければなりません。

 

状況に対応する、反応する練習をした結果としてスキルやテクニックが伸びる。

これがバスケが上手くなるということ。

 

動きだけを抜き出して反復練習しても状況に対応できない。

○○は上手いけど、テクニックは上手くなったけど、色んな技を覚えたけどバスケは下手なままになる。

 

 

テクニックを身につければ上手くなれるという勘違い

 

俺が上手くなれないのはテクニックを知らないからだ。俺が知らない技があってそれを知れば上手くなれるはずだ。

もっと色んな技を身につけないといけない、知っておかなければいけない。

 

そんなことを考えてハイライト、1対1、スキルコーチの動画を漁っていませんか?

 

ハッキリ言いましょう。

 

テクニックをどれだけ知っているか、どれだけの種類のスキルを身につけているかはバスケットボールをプレーするうえで全く関係ありません。

 

ディグステップ、トゥタップ、オフハンド、クロスオーバー、アンダードラッグ、レッグスルーからのビハインドバック、クロスジャブ、シミージャブといった技の名前を知っているか、それらの違いを知っているか、それらの全てが出来るかはあなたが実際に試合でシュートを決めること、ディフェンスを抜くことと全く関係がない。

 

マイケルジョーダンのプレーを見てください。

彼のプレーのほとんどはオフボールでフリーになってからキャッチ&シュート、シュートフェイクやジャブステップからのドライブ、ストレートドライブ・一回のシンプルな切り返しで縦に抜くドリブルドライブ、ポストプレーからのフェイダウェイ・ステップイン、プルアップシュートなどのシンプルなプレー。

ドリブルコンボ、ピノイステップ、アンダードラッグ、クロスジャブなどのテクニックはほとんど使っていません。

それでも彼はNBAで10回の得点王になっています。

 

上手くなるために必要なのは技やテクニックのバリエーション、複雑さじゃない。

頭の中にどれだけたくさんのテクニックの知識があるかじゃない。

実際の試合で目の前のディフェンスの逆を突くこと、敵との駆け引きに勝つこと。

自らの長所を最大に生かせるスキルに絞ってそれを磨き上げていくこと。

試合の経験を積む中で自分が使えるスキルと使えないスキルを取捨選択していくこと。

 

技を覚えて反復すれば上手くなれると動画や教材で何種類ものテクニックを勉強して覚えて出来るようになった。

しかし、実際の試合になるとシュートを打てない、敵を抜けない、ボールを取られる。

俺は他のテクニックを知らないからだと更に違うテクニックを探しに行く。

 

なぜ、こんなことになるのか?

 

それはバスケは技の発表会ではなく、目の前の状況に瞬時に即興で反応しなければいけないスポーツだから。

テクニックをいくら覚えても目の前の敵と味方の状況に合わせて使うことができなければ通用しない。

 

テクニックをたくさん覚えることで頭の中に選択肢がありすぎてどの技で仕掛ければいいんだ?と迷いに繋がる。

たくさんの技を練習しても全ての完成度が低い。それなら少数のスキルを極限まで磨き上げたほうが遥かに強い。

 

わたしは一万種の蹴りを一度だけ練習した男は怖くないが、一つの蹴りを一万回練習した男は恐ろしい。

ブルースリー

 

NBA選手のハイライト動画を見ればアイソレーションから点を取るシーンや華麗なドリブルコンボで敵を抜き去り、シュートを決めるシーンで埋め尽くされています。

バスケインフルエンサーの1対1動画を見れば好きなだけドリブルを突き、シュートを決めるプレーの繰り返し。

確かに分かりやすくカッコいいですし、俺がシュートを決めたい、1対1で勝ちたい、ドライブで抜き去りたいという選手にとってはそれらの動画を見ることで面白く感じたり、俺もこんなプレーをしたいと思うのかもしれません。

 

ちょっと待て。

 

実際のバスケの試合を、5対5の試合を見てみろ。ハイライトじゃなくてNBAの試合を一試合通しで見てみろ。

ハイライトに乗るほどのシーンなんてほんのちょっと、極僅かじゃないか。

 

NBAのスーパースターでさえ、オフボールでフリーになってからキャッチアンドシュート、クローズアウトのシチュエーションでストレートドライブなどのシンプルなスキルで点を取ることがほとんどだし、彼らはフィニッシュ能力も高いけどフリーの味方にパスする回数もかなり多い。

 

それを鬼の首でも取ってきたかのようにハイライトの映像だけを抜き出してNBA選手の1対1テクニック、ドリブルムーブのコツなんてものを徹底的に分析してこれをやれ!と視聴者に呼びかける。

 

そしてあなたもそれを鵜呑みにして1対1やドリブルコンボの技術を磨く。

 

一旦、冷静になって自分と向き合ってみてください。

 

そのスキル、テクニックは俺が本当に試合で使うものなのか?

それよりももっとシンプルな駆け引きでプレーしたほうが点を取れる、活躍できるんじゃないか?

俺の1対1やドリブルコンボは本当にチームメイトが心から望んでいることなのか?

 

あなたがやるべきなのは動きだけを抜き出したテクニックの暗記や反復練習じゃない。

5対5の中で本当に使える、自分の長所を最大限生かすことができる、チームの勝利に繋がるスキルを身につけることです。

 

 

あなたとNBA選手では背景、前提条件が全く違う。

 

NBAと私たちが日本でプレーしているFIBAルールは違いますし、チームを構成する選手の能力も違います。

NBAにはディフェンス3秒ルールがあり、コートも僅かに広く、シューターを外に配置してスペースを広くしている、ハンドチェックが禁止されている、ファウルの笛が軽すぎる時もある。

ヤニスやドンチッチはNBAのほうが簡単に点が取れると言っていますし、ワールドカップやオリンピックの国際試合ではNBA選手がFIBAルールのスペースの狭さ、常にショットブロッカーがいること、ファウルの笛の重さに苦戦することも珍しくありません。

 

参考にする選手や調べるハイライト動画も往々にしてロールプレイヤーではなくスター選手になりやすい。

だってカッコいいから(笑)。例えばアイバーソンとアンドレミラーならアイバーソンのプレーのほうがみたい、彼のようにプレーしてみたいと思う人のほうが多いはず。現代で言えばアレックスカルーソやデリックホワイト、OGアヌノビーのプレーよりもステファンカリーやSGA、ヨキッチのプレーを見る人のほうが多いのではないか?

しかし、スーパースターと呼ばれるような選手はチームで許されているからアイソレーションやドリブルコンボを使ったプレーができていることを忘れてはいけません。

全員が全員スター選手のようにプレーしているわけではなくスリー、ディフェンス、リバウンドなどの与えられた役割を全うするロールプレイヤーも存在する。

 

これはバスケインフルエンサーがよく上げている1対1動画にも同じことが言えます。

1対1では自分で攻める以外の選択肢がない、スペースが常に確保されている、ヘルプディフェンスがいない、シュートまでに何回でもドリブルができる、いくらでも時間を使うことができる。自由に・好きなようにプレーできる。

もしかしたらそれまでのバスケ人生でずっとエースだったり、スラッシャーとしてチームの主力でプレーしてきたのかもしれない。

 

ルールの違いや選手としての役割を理解しないままNBA選手やバスケインフルエンサーの形だけを真似しても意味がない。

先ほど言ったようにオフェンスを止めてチームメイトが死ぬほどイライラしているかもしれないし、無駄な動き・余計な動きが増えることでそれがミスに繋がっているかもしれない、何でオマエがそこで1対1仕掛けてるんだよ!そこはオマエじゃくてスコアラーの選手にさっさとパスするべきところだろうが!と思われてるかもしれない。

 

いいですか?

 

あなたとNBA選手・上手なバスケインフルエンサーとでは背景や能力、役割が違うんです。

 

どんなバスケをするか、したいかは人それぞれです。

NBAのスーパースターのような、憧れの選手のようなスタイルでプレーするためにバスケをしている人もいれば。

試合に勝ちたい、求められている役割を各選手が全うする・その中で選手たちが自らの個性・長所を最大限に発揮することで1つのチームとして勝つためにバスケをやっている人もいるでしょう。

 

楽しむ、運動のためにプレーするのか勝つためにプレーするかは個人の自由です。

ただ、私は公式戦だろうが練習の5対5だろうが基本的に勝つためにプレーしていますし、バスケットボールというスポーツはシュートを決めること・シュートを決めさせないことが全てであると思っていて。

 

試合をするなら、その時のメンバーでいかにシュートを決めるための、シュートを決めさせないためのプレーを創っていくか?

私はチームに得点力がある選手がいるときはその選手にパスを出すことを優先したり、1対1やドライブの邪魔をしないようにスペーシングする、彼に敵が引き付けられたらシュートを打てる位置でボールを貰うようなプレーをすることが多いですし。

 

逆に他に点を取れる選手がいないときは自分で仕掛けるプレーが多くなる。

 

ディフェンスにしても能力のミスマッチで簡単に点を取られる味方がいれば、そこのヘルプに行くことを味方に指示したり、自分のマークマンが大きいときには味方にカバーしてもらうように声を出しながらフルフロントでポストでボールを貰わせないようにしたり。

 

そうやって自分と味方と敵の能力差や相性、役割によってそのゲームでやるべきプレーというのは自然と決まってくるし、その時のメンバーでいかに勝つためのプレーをするか?シュートを決めて、シュートを決めさせないプレーをチームで作っていくか?がバスケットボールっていうスポーツです。

 

あなたがコート上でするべきことは何か?

 

バスケが上手くなるということは試合が上手くなるということであり、バスケというスポーツはチームでシュートを決める、シュートを決めさせないことが全て。

 

どれだけたくさんの技やテクニックができるか?どれだけドリブルコンボを速く、美しく突くことができるか?などを競うスポーツでは決してない。

 

味方とコンビネーションを発揮しながら敵の逆を突く、プレッシャーをかわしてシュートを決める。

敵の選手の能力や特徴を感じながらシュートを打たせない、チームメイトとコミュニケーションしてお互いに助け合いながら失点を防ぐ。

 

シュートを決める、シュートを決めさせないことがバスケットボールというスポーツの根源です。

そのためのプレーをいかに作り出していくか、そのためには自分の役割は何か?どんなプレーをすればチームの勝ちに繋がるのかを感じながらプレーすることが求められます。

 

それならばやるべきこと、磨くべきことはテクニックをコレクションすることではなく敵の逆を突くことや味方がプレーしやすいように動くこと、チームメイトとコミュニケーションすることを習慣にすること、自分の強みと弱みの把握、味方の能力や得意なプレーをどう生かすか、敵の守り方や攻め方に対応する力などです。

 

 

今書いてて思いましたけど多分ウケないですねーこれは。

1対1の、ドリブルの必殺技!みたいな分かりやすい凄さは全然ないですし。

抽象的で分かりにくく、地味ーで当たり前なこと。

「言いたいこと分かったけど、もっとすぐに使える技教えろよ」って言う人もいっぱいいると思う。

 

まあ、そういう人はバスケが持つ深み、本当の楽しさ、本当の上達を一生味わえない情弱のままバスケを引退するんだろうな。

 

おっと、口が大滑りしてしまいました。

 

何が何でも自分が楽しむだけにプレーする、自分がやりたいようにプレーするなら私は止めませんし。

それも1つの考え方、捉え方でしょう。無理に止める気は1ミリもありません。

 

けどやっぱり勝つために本気でプレーすること、試合で活躍できる・チームに必要とされる選手を目指すこと、単なるテクニックじゃなくてバスケットボールが上手くなること、チームで勝ちを追求していくことで得られるものもたくさんあると思うんです。

 

厳しさ、緊張感、格上の選手とどう戦うか、チームメイトとの共存の仕方、自分の現実と向き合うこと。

じゃあそれがきついだけ、しんどいだけ、辛いだけかって言うとそんなことは全くなくてメチャクチャ楽しい。

 

私自身、以前は憧れたNBAのスター選手のようにプレーしたい!って考えてときがあって。

けど、レベルが上がっていくにつれて通用しなくなってくる。

自分よりも能力が高い選手が敵にも味方にもウジャウジャいるし、彼らの真似をしようとしてシュートを外しまくり、ヘルプに潰されまくり、チームメイトはフラストレーションを溜めまくっている。

 

最初は絶望しました。挫折もしました。

俺ってアイツらに比べたら全然ヘタクソじゃん。

ああ、俺がどれだけ頑張っても結局アイツらみたいにはプレーできない。

俺がアイバーソンみたいなプレーをしようとしたところで今より高いレベルでは通用しない。

チームメイトをここまでイライラさせてたなんて、俺はどれだけ自己中のクソ野郎だったんだって。

 

そこで現実を、自分を直視して変わろうと思った。

アイツらと勝負するためには俺はどんなプレーを磨くべきなのか?

もっと無駄な動きを減らさないと勝てない。

俺は毎試合30点取れるような選手じゃない。

味方をもっと生かすために俺がやるべきことは何だ?

 

そこから私のバスケの本当の上達が始まったし、バスケが持つ本当の楽しさを味わえるようになった。

NBAのスター選手のようにプレーすることを諦めてからミスが減り、得点力が上がり、味方にパスを出せるようになり、チームメイトが気持ちよさそうにプレーしていて、試合にも勝てるようになった。

 

時には3点しか取らない試合もある。けど、その分シュートの調子が絶好調の味方にボールを回し続けたり、ディフェンスを頑張ったり、味方にスクリーンをかけ続けたりして。

見えにくいけど俺のプレーはチームの勝ちに繋がっていると自分でハッキリ思えるし、それで試合に勝てたときはメチャクチャ嬉しい。

 

 

ハイライト動画、1対1動画、スキルトレーナー動画に焼かれた脳を回復させる方法

 

簡単です。

 

5対5の中でスキル、テクニックを磨けばいいんです。

バスケットボールの試合を通しで見ればいいんです。

 

試合の中で敵と駆け引きして、コートの状況からプレーを判断して、そのメンバーでどうすれば勝てるかを感じながらプレーする経験を積み上げる。

そうすればバスケが上手くなった結果としてテクニックも伸びる、上手くなる。

あなたが本当に身につけるべきスキルが自然と身に付く。

(色んなチームやコートに行って異なるレベル、スタイルの選手とプレーするとなお良し)

 

ハイライト動画や1オン1動画といったバスケの一部分だけを切り取ったものじゃなく。

1試合を通して、バスケットボールを全体で見る。

そうすればチームが勝つために自分は何のプレーが必要か、持っているテクニックをいつ・どこで使うか、あなたにとって必要なスキルと必要じゃないスキルは何かが分かる。

 

 

もし、あなたがバスケットボールが上手くなりたいのなら。チームとして勝つことを本気で目指しているのなら。

 

 

ハイライト動画、1対1動画、スキルトレーナー動画に脳を焼かれてる場合じゃありませんよ?