インターネットやyoutubeを覗けばありとあらゆる上達法や練習方法、テクニックの解説が星の数ほど出てきますよね?

強豪校の監督や指導者の情報にも簡単にアクセスできる。

 

しかし、これだけバスケの情報が溢れているのに本当に上手くなれた、チームが強くなった、世界で通用する選手が生まれたというデータ・事例が日本で全然見当たらないのはなぜなのでしょうか?

 

日本よりも人口が少ないスペインやセルビア、アルゼンチンなどの国から数多くのNBA選手が生まれ、それらの国が日本よりも世界ランクが上位なのはなぜなのでしょうか?

 

確かに渡辺雄太や八村塁、河村勇輝といった選手は出てきましたがそれは育成というよりは才能の上振れ、突然変異のような側面が大きいのではないでしょうか?安定・継続して彼らのレベルの選手が出てこないのはなぜなのでしょうか?

 

私たちはどうすれば上手くなれるのか?どんな指導をすれば良い選手を育てることができるのか?という情報は数多く知っているはず。

インターネットの発達によって私が子どもの頃に比べると遥かにバスケの情報に恵まれている。

 

それなのにバスケが上手くなれなくて悩んでいる、心から楽しめない選手が溢れているのはなぜか?

日本から世界に通用するような選手が次々と現れないのはなぜか?

 

これをすれば上手くなれます!強くなれます!というキャッチコピー、広告は溢れているのに。

現実を見渡せば素晴らしい選手、強くなったと言えるようなチームはほんの一握り。

 

 

…そろそろ気づくべきです。

バスケの情報・広告がいくら溢れかえっていても、それらのほとんどがゴミだということに。

小手先の聞こえだけは良い生ゴミのような臭いノウハウが選手を上手くさせるどころか下手にしている、伸びしろを潰しまくっている、バスケの本質を歪めている。

 

しかし、多くの選手、選手の保護者、指導者はそのことに気づいていない。

有名な人が言っているから、実績がある人が言っているから、何となく良さそうだからといった理由で深く考えることもせず目に入ってきたゴミのようなノウハウをありがたがって鵜呑みにしている。

 

確かに日本のバスケのレベルは上がってきていますし、それは素晴らしいことです。

日本人がNBAの舞台でプレーする、国際試合でアジアの国相手に危なげなく勝利する、強豪国と競る。

それは育成年代を支えている指導者の方たちがいてこそのことですし、尊敬しています。

 

しかし、先ほども書いたように世界の強豪国の育成と比べると日本はまだ遅れていると思いますし、実際にバスケを心から楽しめている、上達を実感することができている、バスケを生涯続けていこうと思える選手はまだまだ少ないのではないでしょうか?

 

最高の育成法は既に歴史によって証明されている。

 

本日は世界の強豪国がどのような育成をしているかに焦点を当てて、本当に上手い・強い選手はどのようにして生まれるのか?何をすれば選手が持つ潜在能力を最大限引き出すことができるのか?ついてお話していきます。

 

この記事を読むことであなたはどうすれば選手を最大限伸ばすことができるか?を知ることができますし、それを自身に当てはめれば何をすればバスケが本当に上手くなるのか?最速で上手くなれるのか?が分かります。

 

 

1.大量のピックアップゲーム=実践に限りなく近い練習+自由にプレーできる環境。

 

レブロンジェームズは次のように語ります。

You know how we got better as kids? We played against older kids because we knew if we lost, we had to wait a long-ass time before we got back on the court…That was our motivation. That pushed us. That’s how we got better.
俺たちが子供の頃、どうやって上手くなったと思う?年上の子供達を相手にしてたんだ。負ければ、また長い時間待たなければいけない(ピックアップゲームは勝ち残りが原則)。それがモチベーションだったんだ。それに後押しされて、上手くなったんだ。

LeBron James AAU/ユーススポーツへの警報 by LeBron James|TMG athletics x Long Term Athlete Development

 

ネイマールも自らの原点をストリートサッカーにあると言います。

僕の原点はフットサルに始まり、裸足でプレーするストリートサッカー。これが今のプレースタイルにつながっている。

 

アンドレミラーはスキルトレーナーのことは尊敬しているが、彼らにお金は払わない。

5対5の中で技術を磨けと言っています。

 

バスケのアメリカにしろ、サッカーのブラジルにしろ世界のトップアスリートの原点はピックアップゲームにあります。

近所の子どもたちで集まり、時にはそこに大人も混ざってとにかく試合をする。ガチの勝負をする。

 

バスケであれば5対5じゃなくて3対3や2対2でも良い。

ブラジルのストリートサッカーは11対11じゃなくて狭いコートでのミニゲームがほとんど。

 

その中で何が磨かれるかというと試合の中で生きるスキル、自身の長所を最大限発揮するスキル。

 

敵と味方がいる状態でプレーすることでバスケの本質である駆け引きと判断力が徹底的に磨かれる。

敵のプレッシャーがある中でどうすればシュートを打てるのか?パスを通せるのか?ドリブルを取られないか?ドライブで相手を抜けるのか?

 

自分よりも上手い選手やフィジカルが優れている選手相手にどうプレーすれば通用するのか?

同年代相手だと通用していた1対1やドリブルが通用しないときに何を頑張れば、何を磨けばいいのか?

 

自分で攻めるべきか?味方にパスを捌くべきか?どこに動けばボールを貰えるのか?誰がフリーになるのか?誰にシュートを打たせたら勝てるのか?速攻で素早く攻めるのか?時間をかけて攻めるのか?

 

そこにはコーチからの強制もない、勝負にはこだわるけどミスをしても許される、目の前の状況からプレーを作り出す面白さ、自分のプレーを自由に表現する楽しさがある。

年上の上手い選手にボコボコにされる悔しさもあるだろうし、年下の選手相手に厳しさを教えたり、反対になかなかボールを貰えてない子にパスを回す気遣い、どんなパスなら年下の子でもシュートを打てるかを考えることもあるかもしれない。

 

色んな年齢、体格、プレースタイル、異なるレベルの選手とプレーすることで子どもたちは誰に教わるわけでもなく自然と試合で生きるスキルや自分でプレーを表現する力・創造する力、チームとして勝つための協調性、競争心・向上心を身につけていく。

 

世界の強豪国の子供たちはとにかく近所で集まって試合をする。

ゲーム、ゲーム、ゲーム、ゲーム、ゲームの毎日。

上手かろうが下手だろうがひたすら、徹底的に試合を繰り返す。

 

そこで圧倒的な個の力を身につけた選手がプロ傘下のチームに入る、学校の代表チームに入ってチームとしてまとまるために戦術などの練習をする。

 

だから強豪国の選手たちは圧倒的な個の力を身につけている。

創造性、個性、アイデアに溢れたプレーをする。

想定外のことが起きても瞬時に反応して次のプレーに繋げることができる、プレーを自ら創ることができる。

 

バスケットボールはバスケットボールをすることによってしか上手くなれない。

バスケットボールとはリングがあって、敵と味方がいて、シュートを決める・決めさせないスポーツ。

バスケが上手くなる、とは練習が上手くなることじゃなくて試合が上手くなること。

 

試合が上手くなりたいのなら徹底的に試合を繰り返せばいい。

楽しくてしょうがないうえにバスケが一番上手くなるのは試合なんです。

 

繰り返しますが、世界の強豪国は試合・ゲームがスタート。

まずは試合でバスケの楽しさを骨の髄まで味わって個の力を徹底的に磨く。

その次にチームとしてまとまるための練習がある。

 

だから、海外では優れた選手を教えて生み出すことはできない。

スカウトは優れた選手を見つけてくるものだということがよく言われます。

 

 

対して日本の育成では幼い頃から選手に教えることや練習をさせることが多いのではないでしょうか?

youtubeの動画を見ているとスキルコーチみたいな人間が大勢の子どもたちの前でテクニックを教えてたり、小中学生に動き方を細かく教えたりする風景をよく見ますし。

まずは練習をしてから試合。練習をしないと上手くならない、下手な選手は練習で上手くならないと試合に出られない。

 

全体的にはまだまだこのような風潮、空気、常識が根強いのではないでしょうか?

 

ただでさえ日本は街の至るところにバスケコートがあるわけでなく、アメリカのようにいつでも・どこでも・誰とでもピックアップゲームをすることができる環境が少ないのに。

 

指導者やコーチは子どもたちに教えること、練習をさせることで上手くなれると考えている。

その結果、子供たちは教えられた通りにしかプレーできない、自分でプレーを創りだすことができないロボットのようなプレーヤーになってしまう。

 

試合を分解した練習にたくさんの時間をかけて、試合はほんのちょっとだけ。

練習の動きは上手くこなすことができても、いざ目の前に敵がいるとミスしてしまう、いざ味方と一緒にプレーするとチームメイトとの連携・コンビネーションが発揮できない、テクニックや戦術通りに動くことは優れているけど変化する状況に対応することができない、試合は下手。

 

子どもたちに本当に必要なのは「遊び」です。

テクニックや戦術を教え込むことじゃない。

高いお金を払ってバスケを習い事にすることじゃない。

何がなんでも勝つために、上手くなるために何時間もやらされる練習・辛い練習をすることじゃない。

 

年上、年下、同い年関係なく近所の色んな子とスポーツを楽しみ、その中で好きなゲームを学ぶこと、それだけです。

 

教えられる社会からはずば抜けた選手は生まれない。

アメリカでさえも先ほどの動画の中でミラーとバーンズが言っているようにスキルトレーナーによってテクニックを教わった選手は5対5の中でスキルを活かすことができていない、ヨーロッパの選手のほうが台頭してきている。

 

ブラジルは都市化が進んで自由にストリートサッカーができる空き地が少なくなった都会からは優れた選手が出てこなくなった。サッカーをするための場所を子どもに提供するために保護者からはお金を取る、保護者はお金を取るなら子どもにサッカーを教えてくれと言う。教えられた子どもは自分でプレーを創造する力、個性を失う。

 

スペインではポジショナルサッカーが一世を風靡したけどストライカーが生まれない。各選手を動きが決まったチェスの駒のように「ここにいろ」「このときはこうプレーしろ」と教え込むことで子どもたちは大人顔負けのパス回しやゲームコントロールを見せるけど、大人になる頃には圧倒的な個の力で打開して点を取る選手はいなくなる。

 

そこで各国はその反省を生かして今では再び、ピックアップゲームやストリートサッカーの重要性が再認識されてきています。

 

 

つまり、スクールや習い事で教えられ、養殖された選手からはずば抜けた選手は生まれない。

ずば抜けた選手は自由に遊び、自由にプレーする環境から自然と生まれる。

セルジオ越後曰く養殖じゃなくて天然。

 

2.選手の才能を大量虐殺する補欠制度が存在しない

 

海外の育成では補欠という存在がありません。

子どもたち、選手たちはピックアップゲームでいつでも、どこでも、誰とでも試合をプレーできる。

 

学校の代表チーム、プロのユースチームでプレーするためにはスカウトされたり、セレクションやトライアウトに受からないといけないけど試合がプレーできないなんてことはない。

 

ピックアップゲームや自分のレベルに合ったチームに所属して思う存分試合を楽しむことができる。

そこで上手くなる、結果を残せば上のレベルのチームから声がかかったり、別のチームのトライアウトを受けたりすることもできる。

 

全ての選手が試合を楽しむことができる、試合で上手くなることができる。

このような環境があるから上手い選手がたくさん生まれて国全体の選手のレベルも底上げされる。

例え下手でも、体が小さくても試合を経験できるから小中学生の年代では目立っていなくても高校くらいから一気に伸びて優れた選手が生まれる晩成型の選手の芽を摘まない。

 

 

日本の補欠制度はスポーツの楽しさ・上手くなる面白さを選手から奪い、才能を潰しまくる最悪の制度です。

試合に出られる選手はドンドン上手くなっていくけど、試合に出られない選手は上手くなることができない。

 

試合に出られない選手はつまらない、しんどい練習ばかりで辛い、俺にはバスケ向いてないんだ。

もし、彼らが試合の経験数を積み続ければ物凄い選手になったかもしれない。

そうなれば、もっとレベルが高い選手が増えて日本全体のバスケのレベルが底上げされる。

 

選手の才能を大量虐殺する補欠制度はクソみたいなシステムです。

 

試合に出るためにはもっと頑張らなきゃ、練習で上手くならなきゃ、じゃない。

最初から試合すればいいじゃん。

 

試合に出られなかったけど、チームを支えるために自分に出来ることを頑張りました。辞めることなく続けました。

こんなの美談でもなんでもない。

 

 

3.マルチスポーツの推奨

 

日本では幼い頃から1つのスポーツだけに打ち込むことが多いのではないでしょうか?

 

それによって何が起きるかというとスポーツ障害(ケガ)と燃え尽き症候群です。

1つの競技だけをすることによって身体の特定の部位に繰り返し負荷がかかり、ケガをしやすくなる。

20歳前後の若い年齢にも関わらず、ベテランのプロ選手なみに身体がボロボロになっている。

1つの競技に特化するのが早すぎたり、長くやり過ぎると年を重ねるにつれてモチベーションを失ってしまう。

 

 

アイバーソンやレブロンは高校時代にアメフトとバスケの両方でスター選手でした。

コービーやスティーブナッシュは幼少期にサッカーもプレーしていました。

 

 

世界のトップアスリートの多くは子どものころ複数のスポーツを楽しんでいます。

様々な競技をすることで身体がバランスよく鍛えられる、多様な動きをスムーズにできるコーディネーション能力が身に付く、別の競技で培った能力を応用的に使う力が身に付く。

燃え尽きることなく、飽きることなく長く競技を続けていくことができる。

 

When a kids gets older, it becomes even more important to play different sports, just for injury prevention. At an early age it just sparks imagination.And you don’t know what the kids gonna gravitate to, you don’t know.You can’t force a kid to be a soccer player or a basketball player.Just put them in a bunch of different sports and see what they gravitate to, see what they enjoy.

複数のスポーツをプレーすることは、子供が大きくなった時には怪我の予防の意味でより大切になります。幼い年齢の時は、創造性に火をつけます。その子供が、どのスポーツに惹かれるか。私たちには分かりません。子供を無理やりサッカー選手にしたり、バスケットボール選手にしたりできません。色々なスポーツを体験させて、何に惹かれるか、何を楽しむかを見るんです。

-Kobe Bryant
NBA MVP(2008)
NBAチャンピオンx5
NBAファイナルMVP x 2
NBAオールスターx18

 

I played shortstop my whole life & I’ve always played a lot of basketball — the way you have to find different ways to win, in whatever sport it is, that helped mold me to the quarterback I am today.

人生を通して(野球の)ショートを守ってきたし、バスケも沢山してきた。どんなスポーツであれ、異なる勝ち方を見つける必要がある。それが今のクォーターバックとしての自分を作り上げてくれた。

-Patrick Mahomes
NFLプレイヤー Kansas City Chiefs
ワールドチャンピオン&スーパーボールMVP(2020)
2018年MVP&最優秀攻撃選手
Pro Bowl(オールスター)x2

 

I just think that the cross-training, the different types of coaching, the different types of locker rooms, the different environments that you practice in, the different challenges — I think it developed a much more competitive, well-rounded type person.

異なった種目を通してのトレーニング、異なるコーチングスタイル、異なるロッカールーム、異なる練習環境、異なるチャレンジ。これらはより競争力があり円熟した人間を育てると思う。

-Dabo Swinney
クリムゾン大学アメリカンフットボールヘッドコーチ
全米チャンピオン2016, 2018, 2020

タイガー・ウッズとジョーダン・スピース:2人のエリートゴルファーの対照的な育ち方|TMG athletics x Long Term Athlete Development

 

私自身、小学校の頃は野球に打ち込んでエースとかスラッガーではなかったけどレギュラーとして試合に出て県大会で優勝したこともある。

 

けど、最後の大会が終わって感じたことはやっと野球から解放される、もう厳しい練習をしなくて済む、中学校に入ったら別のスポーツの部活に入ろう、もう野球はたくさんだ、やりたくない。

当時は練習のしすぎで肘や肩に常に痛みを抱えていて接骨院にも通っていた。

 

海外の選手は子どもの頃から様々なスポーツの楽しさを味わい、大人になってから1つの競技に特化する。

その流れ、順番がアイバーソンやレブロン、コービーといった創造性豊かな選手を生み出してきた。

 

彼らがもし早くからバスケだけに特化していたらバスケを辞めていたかもしれない、ケガでNBAキャリアを数年しか送れなかったかもしれない、あれほど創造的、個性的、独創的なプレーを生み出す選手にはなっていなかったかもしれない。

 

(しかし、アメリカでも現代ではバスケに早く特化しすぎて燃え尽き症候群で若いうちに競技から引退してしまう、スポーツ障害を抱えるということが問題になっています。)

 

 

 

4.勝利至上主義からの脱却

 

日本では子供たちにスポーツの楽しさよりも勝つことを強いる指導も多いのではないでしょうか?

勝つために子どもを走らせる、戦術を教え込む、出来ないことを厳しく叱る。

 

生まれたての赤ちゃんに歩け!と言ってもできないように子どもたちにはそれぞれの成長スピードがあります。

できないことがすぐに出来るようになれば誰も苦労しないし、今できなくても経験を積むうちに出来るようになることも多いはず。

 

しかし、大人が子どもにとっては非現実的な過度な要求、期待をしてそれが出来なかったことに対して叱る。

これをやれ、これをするなと子どもたちをギチギチに束縛する。

 

子どもたちは怒られないように、言われたことを守るようにプレーするようになり、バスケが楽しいものから苦しいもの、辛いものになっていく。

 

また、日本では小中学生の頃から全国大会があったり、優秀な選手を選抜する。

そこで指導者は県大会に出場しました、全国に行きました、全国優勝しました、ウチのチームから選抜選手が出ましたという実績を求めるようになり、勝つための指導をする。

 

子どもたちは勝つことが最優先事項だと洗脳され、厳しい練習や辛い練習にも長時間取り組む。

そのうえで格上のチームにボコボコにされて負けると俺が頑張っても無駄だ、本当に上手いやつには敵わない、これだけやってもあれだけ無残に負けるならプレーしないほうがいいと燃え尽きてしまう。

 

先ほども書きましたが、私は小学校の頃は野球に打ち込んでいました。

 

小学生にしてはやりすぎだろ!と言うような走り込み・筋トレや延々と続くノック、バッティング練習、ランナーが1アウト1・2塁にいるときの戦術や守り方、監督からのシゴキ…

 

時代もあったと思いますが監督から数えきれないほどビンタされたり、怒鳴られたり、ミスをしたときにゴミを見るような目で見られたり、顔に唾を吐かれたり、立たされて喉が枯れるほど叫ばされたり。

 

確かに試合には勝てるようになったかもしれませんが練習の日は今日も怒鳴れるかも、殴られるかもと鳩尾のところがキューっと絞られるような状態で学校で過ごしてた。

練習がない日は何も気にせずに友達と遊んで心が休まったけど、夜になると「ああ明日練習か…嫌だな…」とサラリーマンのサザエさん症候群をほぼ毎日発症していた。

 

良いプレーができたときや上手くなったと感じたとき、試合に勝てて嬉しいときは確かにあったし子どもながらにチームの一員として試合に出るなら頑張らないといけない、他のみんなもシゴかれながらやってるんだから自分だけ逃げるのはダメだ、最後まで続けようって最後まで続けたけど。

 

早くやめたい、解放されたいと思ってたし最後の試合で負けたとき、心の底からほっとした。

(ちなみに最後の試合は最終回2アウト2塁、一打サヨナラ逆転のチャンスで私の打順。点が入らなくても塁にさえ出れば次のバッターは色んなところからスカウトが来ているエースで4番のキャプテン。しかしボテボテの内野ゴロで私の手でチームのみんなの引退を決定づけてしまいましたとさ。当時はメチャクチャ申し訳ないって思ったなあ…)

 

 

勝つためにプレーのやり方や戦術を教え込むことで選手は瞬間的に自分でプレーを創りだすことができなくなる。

子どもの頃には勝てても、成長するにつれて伸び悩む。

外国のアスリート、コーチから見たとき日本人はテクニックや練習は正確にこなし、物凄く勤勉で真面目だがいざ試合になると下手、瞬間的な判断が苦手、創造性・アイデアに乏しいという評価になることが多い。

 

勝つことや優れた選手になることを親や指導者が過度に求めることで子どもは萎縮してしまう。

辛い練習を他の時間を犠牲にしてまで頑張っているのに怒られること、負けることでバスケが嫌いになる。

 

チームで勝つことを優先するがあまり上手い選手だけが試合に出る。補欠が大量に生まれる。

補欠が試合経験を積める環境が少なすぎる。

 

勝つために他のチームよりも量をこなさなければならないと長時間練習が当たり前になり、子どもたちは回復が追い付かずケガや慢性的な痛みを発症しやすくなる。最悪、若い年齢でプロで何年もプレーしている選手がするようなケガや手術を受けることになるかもしれない。

 

早期に全国優勝、選抜をすることで子どもは自分は凄い、強いと自信を持つけど上のレベルで通用しなくなったときにその自信がポッキリと折れてしまう。早熟で天才と呼ばれた選手が消えてしまう現象が起きやすい。

 

アメリカのバスケの育成年代のガイドラインには次のようなことが書かれています。

年齢別の推奨の練習量=練習量の制限、様々なスポーツをすることを推奨・バスケに特化するのは早くても14歳から、ダブルチームやプレスディフェンスの禁止など年齢・発達段階に適したスキル育成、楽しさ、健康、長期的な成長を重視しています。

ユースバスケットボールガイドライン – USAバスケットボール

 

また、アメリカは高校までは最高でも州大会までで、全米NO.1を決めるのは大学から。

 

 

サッカーで言えばハーランドを生み出したノルウェーでも同じようにマルチスポーツの推奨、11歳以下では勝敗やランキングの公表を禁止、12歳以下では全国規模の大会開催を禁止、19歳以下では週20時間を超えるスポーツ活動は推奨しないなど勝敗よりも成長を優先して選手がケガをしないように練習時間の制限もある。

 

そのハーランドは子どもの頃、陸上競技やハンドボール、スキーにも取り組んでおり、特にハンドボールでは多くのコーチや監督からハンドボール選手として将来を嘱望されていました。

 

推測にはなりますが、ハーランドよりも日本の子供たちのほうがよっぽどサッカーを練習しているのではないでしょうか?勝ちにこだわり、幼い頃からサッカーだけに特化して様々な練習をしているのではないでしょうか?

しかし、大人になってハーランドのような選手が日本から生まれているかというと現実は違う。

 

バスケでもそう。他のスポーツにも取り組んでいる、長期のオフがある、練習時間の制限がある海外の子どもよりも日本の子どもたちはよっぽどバスケを真面目に頑張っているのではないか?それなのに大人になって世界に通用する選手が日本から生まれる割合、確率は海外の強豪国と比べると著しく低い。

 

1つのスポーツで勝つことを優先しすぎることで子どもたちはスキルの伸びしろがなくなり、ケガや痛みを抱える。

 

 

ピックアップゲーム=いつでも、どこでも、誰とでも試合が出来る環境を整えること。

補欠となる選手が存在しない、全ての選手が均等に試合が出られる環境を整えること。

複数のスポーツを楽しみながら成長すること。

若いときの目先の勝利を追い求めるのではなく、子どもたちが大人になったときにどうなるかを考える。

 

海外の強豪国の育成の常識は日本の常識と違う。

そして海外の強豪国でさえも、ピックアップゲームの減少や早期の競技特化によって優れた選手が生まれにくくなる。

 

正規の大きさのコートじゃなくてもちょっとした空き地や屋内施設にリングを設置する。

部活で例えばバスケ部とサッカー部を入れ替えて練習することでマルチスポーツができる環境を作る。

補欠がなくなるように同じ学校から複数のチームを出せるようにする、クラブチームやサークルを作る。

高校年代までは全国大会をなくす。

指導者が日本の常識や固定概念にとらわれず、海外からも情報を仕入れる。

 

日本でも育成環境を改善できることはあるはずですし、それができればもっと日本から多くの素晴らしい選手が生まれ、日本全体のバスケのレベルが更に上がり、国際試合でも勝てるようになるはず。

 

最高の育成方法は既に歴史が証明しています。