前にNBAを見まくることが上手くなるために必要不可欠って記事を書きました。
ここで勘違いしないでほしいんですけど。
NBAを見ることは大事だけど彼らの「真似」をしても絶対に上手くなりません。
上手くなりたければ上手いやつの真似をしろ
→絶対やっちゃダメ
僕も昔はNBA選手のプレーを真似しまくってた時期があって。
上手くなりたければ上手いやつの真似をするのが一番だと。
アイバーソンのクロスオーバーを真似したり。
レイアレンのシュートフォームを意識しながらシュートを打ったり。
コービーが使うフェイクを使ってみたり。
バスケするとき常に彼らの動きをイメージしてました。
NBAを見ては真似して、見ては真似して。それを繰り返して。
けど気づいたんですよ。
NBAの真似、もっと言えば誰かの真似をしても絶対に上手くならないって。
真似をすることは絶対にやっちゃダメなんだって。
自分の動きに意識がいく→目の前のプレーに集中できない
NBA選手の真似をしようとするとどうしても自分の動きに意識がいってしまう。
相手を抜くときアイバーソンみたいなクロスオーバーで抜いてやろう。
シュートを打つときレイアレンみたいなフォームで打とう。
このフェイントを使ってやろう。
どんどん自分の中のイメージに意識がいく。
でもバスケするとき集中するべきなのって自分の動きじゃないですよね?
目の前のプレーです。
自分の動きを意識してしまうと相手との駆け引きができなくなります。
相手はドライブだけを警戒して下がって守っているのに無理やりクロスオーバーで抜こうとする。
相手の反応を無視してフェイクをするから全然引っかからずに無意味な動きになる。
相手が下がってるんなら無理に抜かなくてもシュートを打てばいいのに。
右にフェイクしてもそれに相手が引っかかってないなら
左にいっても止められるだけなのに。
真似しようって気持ちがあるだけで相手の動きに反応して動くことができなくなる。
頭の中にある真似したイメージをもとにプレーしても相手がその通りに動いてくれるわけないじゃないですか。
相手と駆け引きして相手の反応に合わせて瞬間的にプレーを
選択しないといいプレーはでてきません。
そのためは真似することじゃなくて目の前の相手に
集中力の100%を注がないとダメなんです。
真似するイメージに殺される
元400mハードルの選手、為末大は誰かの真似をすることについて次のように話しています。
大学時代、日本記録保持者の伊東浩司さんの走りを私は真似た。身体を大きく折り畳み足を前に返すようにして走った。動きは段々似ていったが成績は伸びなかった。
ビデオで見れば動きは似ていたが、身体の内ではどこにどう力を入れていいのか全くわかっていなかった。
実家で自分の中学時代の走りを見た。私の走りは私ではない何かになっていた。それから数年かけて私は私の走りを掴んでいった。
人は優れたものに出会うとそこに何か秘密があるかもしれないと思い真似る。努力は誰かになる事に向けられていく。しかし自分は他人とは違う。
引用元:http://www.j-cast.com/kaisha/2012/07/27140633.html
これと似たようなことを僕もさんざん経験してきました。
デリックローズのドライブを真似る。
レイアレンのシュートフォームを真似る。
確かに動きはその選手に似てくるんですけど全然しっくりこないんですよ。
自分に合ってない動きだからドライブのキレは落ちるわ、シュートはどんどん入らなくなるわで。
それでこの選手の真似してもだめだから次はあの選手の真似をしようってなって。
真似する選手をとっかえひっかえして。
更に自分のフォームとかプレーの仕方が崩れるっていう負のループにはまって。
誰かの真似をすると自分の力、良さを出し切ることができないんです。
長所が死ぬ。
憧れのイメージに自分のプレーが殺されていく。
誰かの真似をするんじゃなくて。
いかに自分自身の動き方、プレー確立するか。
あなたオリジナルのプレースタイルを作り上げていくか。
これを突き詰めないといつまでたっても上手くなれません。
他の誰かと同じってマジでダサくないですか?
そもそも。上手くなる、ならないの前に気持ち的な問題として。
誰かと一緒。
アイツに、あの選手に似てんなーって言われること。
ダサくないですか?
僕はこう言われんのが大っ嫌いです。
俺には俺のプレーがある。
誰かの二番煎じじゃない。
他の誰かと俺を比べんな。
僕にとって誰かと一緒ってことはものすごく腹が立つ。
そんで世界のトップアスリートも誰かの真似をすること、
誰かと似てると言われることがめちゃくちゃ嫌いです。
I don’t wanna be Jordan, I don’t wanna be Magic,
I dont wanna be Bird or Isiah,
I don’t wanna be any of those guys…when my career’s over,
I want to look in the mirror and say I did it my way『俺は、ジョーダンにも、マジック・ジョンソンにも、
ラリー・バードにも、アイゼイア・トーマスにもなりたくない。
誰にもなりたくない…。
俺のキャリアが終わるときに、鏡に映っている自分を見て、
「俺は自分の道を生きた」と言いたい。』アレン・アイバーソン
月並みなやり方を
するくらいなら、自分のアイディアと
心中した方がマシだ。ヨハン・クライフ
「僕は、ステフ・カリーのことは尊敬している。彼がやっていることはすごいことだ。でも、僕はほかの誰でもなく、自分自身なんだ。僕が自分の仕事をうまくやっていることについて、誰かのマネをしていると言うのは失礼だ」
デイミアンリラードの怒り「僕はステファンカリーじゃない」
自分だけの、唯一無二の、オリジナルのスタイル。
それを突き詰めて自分の色を最大限コートの上で表現する。
そこにバスケの楽しさ、面白さがあるのに。
NBA選手とか上手い選手の真似をしてもそれはただの二番煎じでしかない。
いや、二番煎じどころか十番煎じ、百番煎じで終わる。
誰かと一緒、誰かの真似ってマジでダサい。おもしろくない。
そう思えないとダメです。
まとめ
NBAを見たり周りの上手い選手のプレーを観察する。
これはプレーのイメージの幅を広げたり。
インスピレーションを得たり。
モチベーションを上げたり。
そういうのには役立ちます。
役に立つんですけどその中でも一線を引いて
「自分は自分」という意識は片時も忘れちゃいけません。
そうしないとあなたの良さはどんどん失われていく。殺されていく。
誰かの真似をするのはマジでダサい。
そう思ってあなただけのスタイルを作り上げてそれを思いっきり表現してください。
NBAの真似をしても1ミリも上手くなれません。
見ることはめちゃくちゃ大事ですけどね。
いざ自分がコートに立ったら何も考えず、直感に任せて
自分のスタイルを思い切り表現すること。
ここが大事な、大事なポイントです。