成功を目指すな…と言ってるんじゃない。
その成否に囚われ…思い煩い…止まってしまうこと…
熱を失ってしまうこと…これがまずい。
バスケでの成功とは何でしょうか?
上手くなること、強くなること、
勝てるようになることなどですよね。
しかし、ここにこだわりすぎるとマズいです。
バスケに対する熱を失う原因になるから。
上手くなりたい…
勝てるようになりたい…
強くなりたい…
この気持ちが強ければ強いほど、
上手くいかなくなったときの挫折感は大きくなります。
これらの言葉は言い換えれば、
自分に期待している、希望を持っているということ。
自分は上手くなれる、強くなれるっていう期待、希望。
それが大きくなるほど、それをなせなかったときのストレスも大きくなります。
あと1秒でも早く結果が欲しいっていう焦りにもつながりますね。
上手くなりたいんだけど、上手くなれない。
自分のプレーが上手くいくか、いかないかっていう成否へのこだわり。
上手くなりたいっていう気持ちが強い人ほど、この成否へのこだわりを手放せなくなります。
そして、
どうして自分はできないんだ…
と思い煩う。
もっと上手くいく方法はないのか。
この状況を一刻でも早く改善できる方法はないのか。
ノウハウやテクニックを探す時間が増えて、
頭でっかちになり、行動が止まる。
それを続けているうちに
ああ、おれは何をやっても上手くなれないのか。
どれだけ努力しても結局は上手いやつには勝てないのか。
バスケに対する熱を失ってしまう。
上手くなりたいというのは悪いことじゃないし、
そう思うことがダメなんだと言いたいわけじゃありません。
ただ、上手くなれるかっていうところにこだわりすぎると、
必ずその反動・リバウンドが起こります。
僕自身、何が何でも上手くなりたい。バカにしてきたやつらを見返したい。
そういう気持ちが強すぎて、寝ても覚めてもバスケのことを
考えまくりながら過ごしてた時期がありました。
その頃の自分は完全にノウハウオタクになってましたね。
片っぱしからバスケのサイトを読み漁り。
少しでもバスケに生かせそう本があれば買いまくり。
ネットで販売されている1万5千円くらいの教材も何個か買いました。
読んだことを試しまくって、ダメであれば他のノウハウを漁り。
暇さえあれバスケの動画を見てイメージトレーニングしたり。
がむしゃらに走り込みとかフットワークをやってみたり。
でも、そこまでしても全然上手くなれなかった。
結果が出なかった。
このとき、僕はバスケをするのが本当に苦痛で。
何でこんなにバスケに労力をかけてるのに上手くいかないんだろう…
結局、おれは何をやっても無駄なのか…
一生ヘタクソのまま、バスケを続けていくのか…
もう、バスケやめよう。
そのときはホントにバスケやめようと思ってて、
数か月一切ボールを触りませんでした。
完全に熱を失ってしまっていました。
まあ結局はもう一回バスケやりたいってなって、今でも続けているんですが。
バスケの熱を失ったら、上達もクソもない
もう、あんな苦しい思いしながらバスケしたくなかったんで、
上手くなりたいのはなりたいけど、そこに固執してはいけない。
プレーの成否にこだわることよりも、ただ、バスケをすることを楽しむ。
プレーが上手くいくか、いかないかじゃなくて、ただバスケが好きだからやる。
楽しいからプレーする。
成功とか失敗といった結果じゃなくて、ただ楽しむっていう過程を大事にする。
そういうふうに考えるようになったんです。
だってバスケしんどい、もうやめよう。
そうなったら上手くなるもクソないじゃないですか?
その結果、
とにかく早く上手くなりたいっていう焦り。
ミスしてしまったときの苛立ち。
上手いやつにボコボコにされたときの挫折感や劣等感。
こういった負の感情が出にくくなってきた。
ただバスケをやれればいい、目の前のプレーに集中して楽しめばいいって思ってるから。
そうすると、身体があまり力まなくなってリラックスできます。
変な焦り、欲がないから冷静に周りを見ながらプレーできます。
前は勝ちたい、自分が決めてやるって言う意識が強すぎて、強引にシュートしてミス。
自分のことでいっぱいいっぱいになってるからフリーの味方がいても見えなくてパスが出せない。
とにかくがむしゃらにやってるから、すぐに疲れる。
それが
冷静に周りが見れるから、無理なプレーが減って、パスコースもよく見えるからアシストが増えた。
リラックスして余裕があるから、1つ1つの精度や正確さが上がった。
力の出しどころが分かるようになって、スタミナの消耗が減った。
そういう好影響がいっぱいありました。
上手くなることに固執しなくなってから。
最近、チームメイトの人にも
「お前なんか前とスタイル変わったな。前はとにかく自分がっていう感じで
スピードでガンガン攻めるスタイルだったけど、今は周りもしっかり見ながら
緩急のリズムがついてて、すごい余裕ある感じでやってるわ」
って言われましたし。
以前は、デリックローズとかウェストブルックみたいな
イメージでやってたところがあって。
身体能力使って、自分が点を取りまくるガードみたいな。
熱く、ガツガツ、ガンガンするような感じ。
けど、あんまり上手くいかないことも多くて。
その原因は自分がやってやろうっていう意識が強すぎて、
冷静さとか周りを見る余裕がなかったから。
それで無理に突っ込んで自滅っていうパターンも多かった。
それが今は、余裕をもってひょうひょうとプレーする感じ。
イメージ的にはクリスポールとか、マイクコンリーとか、ディアンジェロラッセルとか。
ああいう冷静に、淡々と、余裕をもってプレーするようになった感覚があります。
自分の気持ちを全面に出して、闘争心もってあつくプレーする。
冷静に、ひょうひょうと、相手をいなすようにプレーする。
どっちが良くて、どっちが悪いっていうのはないんですけど。
上手くなることや勝つことへの執着心を小さくして、
ただ目の前のプレーに静かに集中する。
その考え方、意識の変化で得られたものがたくさんありました。
あとコート上だけじゃなくて、バスケをしてないとき・プライベートでも。
バスケのことを考えたり、トレーニングする時間が減って、他のことをするようになって。
精神的にも肉体的にもしっかり休めるようになって、
毎回リフレッシュした状態でバスケができる。
楽しいし、充実してる。
体もよく動く。
良い状態でバスケに望めるんで、結果的に上手くなるスピードも上がりました。
もちろんバスケへの熱も失うどころか、「もっとバスケやりてー!」って感じです。
上手くなること、勝つこと、強くなること。
この結果への執着を捨てる、手放す。
もっと上手くなりたい。早く勝てるようになりたい。
って自分を鼓舞して、ガンガン努力を重ねるっていうのとは逆の哲学。
その境地だからこそ見えるようになるものが、
できるようになることがある。