NBAにはウェストブルックやジョンウォールなど身体能力がずば抜けている選手が数多くいます。
日本人選手と比べるとここまで違うのかと少し絶望することもあります。
が、彼らと日本人で体の構造が根本的に違うというわけではないんです。
日本人には黒人にある筋肉や骨がないというわけではない。
あくまで骨格や筋肉の付き方などのバランスの問題です。
彼らと日本人は何が違うのか?
なぜトップアスリートはずば抜けた身体能力を持っているのか?
今回はその秘密を解剖学の視点から明かしていきたいと思います。
黒人の腸腰筋は日本人の3倍の太さ
身体能力のカギとなる筋肉、それが腸腰筋です。
黒人の腸腰筋は日本人の3倍の太さだったというデータもあります。
この腸腰筋が発達しているとどんなメリットがあるか?
それは骨盤が前傾しやすくなること。

腸腰筋が発達すると、立っているときに収縮する力が強くなり骨盤が前傾します。
それでは腸腰筋が発達して骨盤が前傾すると何が起きるのか?
ハムストリングも引き伸ばされて、その力が使いやすくなるんです。
筋肉には引き伸ばされると伸ばされたゴムのように縮もうとする力が働き、その筋力が発揮しやすくなるという性質がありますから。

ハムストリングスは股関節を伸展させる(伸ばす)筋肉。
かけっこの用意のポーズから前脚の股関節を伸ばすと地面をキックして身体は前に進みますし、ジャンプもしゃがんだ状態から股関節を伸展させることで地面をキックします。
人間の走る、跳ぶといった動作は屈曲した股関節を伸ばす動きによって行われます。
速く走ったり、高く跳んだりするにはこの股関節を伸ばす動作をどれだけ強く行えるかが重要。
つまり、ハムストリングスの力をフルに・強く使うことができるほど、地面をキックする力が強くなり、速く走れる・高く跳べるということ。
また、腸腰筋は腕の上腕二頭筋と上腕三頭筋のように拮抗筋の関係になっています。
腸腰筋が収縮するとハムストリングスが引き伸ばされる、ハムストリングスが収縮すると腸腰筋が引き伸ばされる。
そして腸腰筋は股関節を屈曲させる筋肉。(ハムストリングスは股関節を伸展させる筋肉)。
ダッシュのときに足を後ろにスイングするときは腸腰筋が引き伸ばされてハムストリングスが収縮することによって地面をキックする。
脚を前にスイングするときにはハムストリングスが引き伸ばされて腸腰筋が収縮します。
腸腰筋が強いとダッシュのときにより素早く、より大きく脚を前に持ってくることができるのでストライド(一歩の大きさ)とピッチ(脚の回転)の両方が大きくなり、速く走れる。

また、ジャンプのときも腸腰筋が強ければハムストリングスを強く伸張させることができるのでその分ハムストリングスが収縮する力も大きくなって地面をキックする力が大きくなり、高く跳べる。

つまり、股関節を伸展させるハムストリングスを最大限に使うためには腸腰筋が発達して骨盤が前傾した体型に近づくことが重要というわけです。
トップアスリートの体型に着目するとお尻の盛り上がりが半端ないことが分かるはず。
これは骨盤が前傾することで、その上にお尻の筋肉がつきヒップアップした体型になっているから。


腸腰筋が発達すると骨盤が前傾する。
骨盤が前傾すると股関節を伸ばすハムストリングが使いやすくなる。
ハムストリングが使えると速く走り、高く跳ぶことができるようになる。
腸腰筋が発達するとダッシュのストライドとピッチが上がる。
結果、身体能力が高くなる。
腸腰筋が発達して骨盤が前傾した体型。
これがトップアスリートが高い身体能力を発揮できる要因の1つです。
骨盤の前傾と脊柱のS字カーブ
骨盤が前傾すると腰椎が前弯して、そこに重力がかかるため
胸椎の後弯が効いて脊柱のS字カーブが効いた体型になります。

トップアスリートは骨盤が前傾してヒップアップしているのと同時に胸椎が後弯して背中が大きく盛り上がった体型の選手が多い。
背中が大きく盛り上がっているレブロン、デュラント。

それでは胸椎が後弯して背中が盛り上がった体型だと何のメリットがあるのか?
それは腕の操作性が格段に上がるということ。
胸椎が後弯すると肩甲骨が胸郭(肋骨)の上に被さるようにして支えられます。
このことによって僧帽筋などの筋肉ではなく骨で肩甲骨を支えることができる。

シュート、ドリブル、パスといったボールを扱うプレーではボールを軽く、強く、ラクに、早くコントロールすることが求められますよね?
そのためには肩~腕の筋肉がリラックスしていなければいけません。
試しにギューッと肩や腕を力ませた状態でシュートを打ったり、パスを出したりすると動きは遅くなり、ボールに力は上手く伝わらないことがハッキリと分かるはず。
NBAのダンクを見ているとトマホークで振りかぶったり、ウィンドミルダンクをしたりと空中で大きくワンアクション入れることが多いですが彼らは脊柱のS字カーブが利いていて腕を楽に力強く扱えるから、そういう動きができるんです。
他にもダブルクラッチなど空中での腕の操作性が高かったり、自在で正確なドリブル、パスのスピードや崩れた体勢からでも正確なパスを出せる。
それは
骨盤が前傾すると脊柱のS字カーブが利き、肩甲骨を胸郭で支えることができる。
そうなると肩周りの筋肉が力みにくくなり腕を楽に力強く扱うことができる。
だから、ボールをラクに強く扱うことができる。
こういった骨格の特徴があるからです。
他にも野球で最速のボールを投げるチャップマンやテニスのキリオスも背中が盛り上がっていて、それがピッチングやラケットワークに繋がっています。

だからドリブルとかパスとかシュートが上手くなりたいなら。
スキルうんぬんの練習の前に、トップアスリートのような脊柱のS字カーブが効いて背中が盛り上がった骨格・体型を変えるっていうアプローチも必要になるってことです。
ふくらはぎが棒切れのように細い。
トップアスリートはふくらはぎなど体の末端部が細いです。
ふくらはぎが太く発達しているトップアスリートはほとんどいません。
これも骨盤が前傾していると走ったりジャンプするときにハムストリングスや大殿筋など体幹部に近い筋肉が使われるためです。
逆に末端部の筋肉が発達してしまうと体の先端に重りをつけるのといっしょで速く動くことが難しくなります。
これは体幹部ではなく膝や足首、肘などの末端部で動いてしまっているから。
トップアスリートは股関節や胴体、肩甲骨など体幹部の筋肉をメインに使っていてその力が末端部に伝わっているだけ、体幹から末端への連動で動いている。
だから、大きな力を発揮できて身体能力が高いし体幹が発達して末端が細い体型になる。
トップアスリートや周りの上手い選手の体型を見てみてください。
そのほとんどが
- 骨盤が前傾してヒップアップした体型。
- 脊柱のS字カーブが効いて背中が盛り上がっている体型。
- 末端部が細い体型。
これらが共通してみられるはずです。
トップアスリートの身体能力に近づくためには?
だから身体能力を上げたいのならトップアスリートのような体型に近づくアプローチ・トレーニングをすることが大事になってくるわけです。
単純な筋トレや走り込みだけで身体能力の差が埋まりにくいのは体型・骨格が違うから、それによって使われる筋肉も違うから。
そのために重要なのがこのブログで何度も書いているインターロックやダンスといったトレーニングです。
これらは黒人のような体幹をフルに使った動きを体に教育することで使われる筋肉が変わり、黒人のような高い身体能力を発揮できる身体の使い方、骨格や体型に近づくと言った効果があります。
腸腰筋やハムストリングスといった速く走る、高く跳ぶための筋肉を使うことができるようになる。
腸腰筋が鍛えられることでトップアスリートのような骨盤が前傾して
脊柱のS字カーブが効いた体型に近づくことができる。
体幹部をメイン・フルに使うこと、体幹→末端への連動で動くことを身体に教育することができる。
身体能力を上げたい。
トップアスリート、黒人のような身体能力に近づきたい。
そう思ったとき、多くの人はダッシュやジャンプトレーニング、筋トレなどに走るのではないでしょうか?
しかし、それは根本的な解決策にはなりません。
あなたが発揮できる身体能力のベースになるのは筋力がどうこうという問題ではなく運動に適した骨格・体型かどうか、筋肉の使われ方をしているかが問題だからです。
だから、体型・骨格を変えることが身体能力を上げるために本当に必要なことなんです。
体型が変われば、使われる筋肉が変わり、身体能力が上がります。
NBA選手のようなスピード、キレ、ジャンプ力、ボディバランスに近づきたい。
もし、あなたがそう願っているなら、今回解説したトップアスリートが
ずば抜けた身体能力を発揮できる本当の要因を理解してください。
筋力や身体の使い方ではなく、体型に着目し、そこをトレーニングしてください。
そうすれば、あなたはトップアスリートの身体能力に近づくことができます。







