私がバスケを始めたきっかけ。

 

中学生のときに友人の家で漫画「あひるの空」を読み、アイバーソンのハイライト動画を見てバスケを始めた。

そこからバスケに夢中になっていった。

 

BSでNBAの試合があれば欠かさずチェックしたり、親戚のバスケ好きのおじさんから試合の映像を録画したDVDを貰ってディスクが擦り切れるくらい繰り返し見たり。

 

今でもバスケが好きだから、面白いからプレーしてる。

もっと上手くなりたい、NBA選手のようなプレーがしたい。

 

私のバスケの教科書はいつもNBAだった。

 

今のプレーやばすぎる!ブロックが2枚跳んできてるのに、かわして決めたぞ!

今のドライブ巧すぎる、ディフェンスが完全に逆を突かれたぞ!

おいおい、なんでそこが見えてんの!?今のパスの出し方かっこよすぎるだろ!と唸るアシスト。

ちょっと待て、今どうやってフリーが出来た?5人が連動して、スクリーンを掛け合うチームオフェンス。

敵チームのエース、スコアラーをシャットアウトするディフェンス。

ポストやゴール下でゴリゴリと身体をぶつけ合う熾烈なポジション争い。

チームのセカンドチャンスを作る、敵のオフェンスを終わらせるリバウンド。

 

プレーの1つ1つが私をワクワクさせてくれた、ドキドキさせてくれた、熱くさせてくれた。

バスケットボールというスポーツに魅了された。その虜になった。

 

 

…しかし、そんなNBAがいつの間にか変わってしまった。

今でもNBAの試合はチェックしているけど、5分も見てられない。ひどいときは2分くらいで見るのを辞めてしまう。

 

おいおい、これが本当に俺の心を最高に熱くさせてくれた、ワクワクさせてくれたNBAか?

冗談だろ?嘘だと言ってくれ…

俺が見たいのはこんなバスケットボールじゃねえよ…

 

もちろん、今のNBAを心から楽しんでいる人もいるでしょう。

今のNBA選手のプレーから学んでいる人もいるでしょう。

それを否定するつもりも、馬鹿にするつもりも1ミリもありません。

 

ただ、私にとっては現代NBAはつまらないし、面白くない。

 

 

どこのチームも同じスタイル。誰がやっても変わらないバスケ。

 

まず、現代NBAはプレーやスタイルのバリエーションが少なすぎる。

 

ピック&ロールをひたすら連発してスイッチでミスマッチになった瞬間を攻めてレイアップかスリー。

ディフェンスが寄ってくればキックアウトしてスリーポイント。

ボールを持っていない選手は5アウトのポジションからほとんど動かずキャッチしてスリー、もしくはドライブ。

 

これを延々と繰り返すだけ。

スリーが面白いように決まるときも確かある。

けど、そうじゃなければただスリーが連続で外れてリバウンド、走って戻ってもう一回スリーという光景を眺めるだけ。

 

現代NBAは効率が重視されすぎてドライブからのリム周りのフィニッシュかスリーを打つことが徹底されている。

確かにそれが合理的で勝つ確率が高まるのかもしれない。

 

けど、バスケって確率や効率、数字だけじゃないだろ?

選手ごとの、チームごとの個性はどこにいった?オリジナリティはどこにいった?

俺のスタイルはこうだ!このプレーなら他の誰にも負けない!ってアイデンティティはどこにいった?

 

今はバスケの科学的な部分、サイエンスの部分が行き過ぎていて効率は良くて再現性はあるのかもしれないけど試合の内容は全然面白くない。誰がやっても変わらない、選手ごと・チームごとの個性が薄すぎる。

 

私を最高に熱くさせてくれたのは数字や効率性だけでは決して測れない選手ごとの、チームごとの創造性、独自性といったアート・芸術の部分だ。

 

ポストプレーでのステップワークや押し合いの中での駆け引き。

ミドルレンジでスペースを作り出すフットワーク。

オフボールで5人が連動してフリーを作り出すスクリーンプレー、カッティング。

監督によってそのチームの長所を最大限に引き出すようにデザインされた異なる戦略やフォーメーション。

各ポジションのスペシャリストたちが磨き上げられた異なるプレースタイルでやり合う面白さ。

 

シュートは打たないけどリバウンドとブロック、ディフェンスでチームを勝たせるベンウォレス。

スピードはないけど抜群のキープ力、ゲームメイク、ポストプレーでチームを操るマークジャクソン。

オフボールで走り回ってミドルレンジからシュートを決めまくるリチャードハミルトン。

圧倒的なパワーでペイント内を完全に支配するシャック。

派手さはないけどバンクショットで得点を量産するティムダンカン。

 

トライアングルオフェンスのブルズ、ピック&ロールのジャズ、ラン&ガンのサンズ、鉄壁のディフェンスのピストンズ、美しいボールムーブのスパーズ、アイバーソンの周りをディフェンダーで固めたシクサーズ…

 

「嫌なことがあるんだ。毎回毎回ピック&ロールばかりなんだよ。もっといろんなプレーが見たい。俺が相手と対峙したら、抜けたらパスを捌く。プレーメーキング、リムまで行く、フロート(ボールを浮かすようにして突くドリブル)してダンクする、みたいにね」

「ピック&ロールが多すぎるんだ。マッチアップがある時だけならいい。でも、毎回ピック&ロールばかりじゃダメだ。リーグではまだチームで組んだプレーを使っているのか?(全員が絡む)プレーはほとんど見られない」

「今のスタイルは皆同じだ。コートを広く使い、最も遅いディフェンダーにピック&ロールを仕掛け、コーナーに数人のシューターを置く。個々のチームが独自のオフェンスを持つことはない。型にはまって、3ポイント頼みになりすぎているんだ」

ケビンガーネット 「毎回ピック&ロールばかり」名手ガーネットが現代NBAに物申す「もっとチームバスケットを見たい」<DUNKSHOOT> | THE DIGEST

 

今の選手たちはまるで偶発的なバスケットボールをしているように見える。プレーのほとんどがドライブしてキックアウトするだけ。シュートが入るかもしれないし、入らないのかもしれない。誰がオープンになるのかも分からない。ただの行き当たりばったりのバスケットボールだね。

コービーブライアント

俺たちは目的を持ってバスケットボールをしていた。もっと構築されたゲームをしていたんだ。でも今見ているこのバスケットボールは…正直何を見せられているのか分からない。

シャキールオニール

3P乱発がNBAを壊した…バスケの進化が生んだ”副作用”とは

 

今のNBAは選手やチームによって多少の違いはあるかもしれないけど、大部分では誰がやっても変わらない似たようなスタイルで戦っているチームが多すぎる。

 

これが最強のオフェンスですっていうたった1つの型、台本をどこのチームもこぞって真似してるだけ。コピペしてるだけ。

 

クソつまらん。

 

もっとポストプレーからの展開が見たいし、ビッグマンがローポストから攻めるのも見たいし、ミドルレンジのシュートも見たいし、選手が次々にゴールにカッティングする・様々な場所でスクリーンを掛け合うのも見たい。

 

私が見てきたNBAはもっと多様性があった、オリジナリティがあった。

正解は1つじゃなくて選手が、チームがそれぞれ異なるスタイルを持っていた。

そのぶつかり合いが私をバスケットボールに夢中にさせてくれた。

 

 

現代NBAはオフェンスが有利すぎる。

 

現代NBAを見ているとあまりにオフェンスが優遇されすぎている。

反対にディフェンスは制限されすぎて「どうやって守ればいいんだよ?」ってなってる。

 

オフェンスがディフェンスに体当たりしたり、腕を使って突き飛ばしているのにオフェンスのファウルはほとんど吹かれず、ディフェンスのブロッキングになることがほとんど。

 

ディフェンスに少しでも触れられていれば、それを巻き込むようにボールを振り上げるだけですぐにフリースロー獲得。

シュートに行くつもりがなくても後からシュートっぽいモーションを付け加えればすぐにフリースロー獲得。

 

ハンドチェックができないからオフェンスはノープレッシャーでドリブルを突ける。

オーバードリブル(キャリー)が合法になり、以前はダブルドリブルを取られていたのに長い間ボールを手のひらの中でコントロールできる。一度、完全にドリブルを止めたと思われるような状態から再度ドリブルを突くことができる。

 

以前は完全にトラベリングだったステップが合法になり、以前からすると4~5歩もステップを踏むことができる。

ステップバックやユーロステップが無敵の必殺技になっている。

 

オフボールでのムービングスクリーン。ディフェンスがかわそうとしてもスクリーナーが動いて止めてくるから簡単にフリーになれる、簡単にミスマッチとなるスイッチの状況を生み出せる。

 

 

現代NBAはチームごとの平均得点がだいたい115点くらいだけど、デッドボールエラと呼ばれる時代は95点前後でそれだけ点を取るのが難しかった。

ディフェンスが固かったし、トラベリングやオフェンスファウルも現代より見逃されてなかった。

 

 

しかし、今のオフェンスが有利すぎるルールでは簡単に点が取れてしまう。

スーパースターが得点を積み上げていくのが形式的になってしまう。

マイケルジョーダンが90年代に35得点するのとルカドンチッチが現代で35得点するのを同列に置くことはできない。

 

より激しく、硬いディフェンスを相手にシュートを決める、得点を積み上げるからこそ価値が生まれるのに。

トラベリングやダブルドリブル、オフェンスファウルをせずに点を取るからフェアで公平性が保たれるのに。

現代ではオフェンスが有利すぎて得点の価値が薄れてしまっている。

 

 

私は現代NBAをレベルが下がったとか、全てのルールを以前に戻せと言っているわけじゃない。

過去の時代にも点が入らなさすぎたり、フィジカルすぎる過度の接触で選手の動きの自由が制限されたりと悪い部分も確かにあった。

ルールが変更されてよりスピーディーなゲーム展開が生まれたり、得点が伸びたり、動きの自由度が上がって面白くなったという意見も理解はできる。

 

けど、現代NBAはあまりにもオフェンスに有利すぎる。簡単に点が入りすぎて見ごたえがなさすぎる。

 

ひとまず、ディフェンスのハンドチェックの解禁とトラベリング・キャリードリブルの厳格化、オフェンスのオフハンドのファウルとムービングスクリーンの取り締まり、シュート中のファウルの再定義。

 

ここらへんをやってくれたら現代NBAはもっと面白くなるだろうと思うし、もう一度NBAに魅了されると思う。

 

 

 

今こそ昔のNBAを見よう。あなたのバスケレベルも数段上がるから。

 

河村勇輝選手は90年代NBAにすごい刺激を受けていたと語っています。

 

昔のNBAなんて古いだけでしょ?と思うかもしれない。

試合が始まって数分は試合の展開が遅い、派手なドリブルが少なくて面白くないと思うかもしれない。

 

けど、騙されたと思ってまずは1クォーター見てほしい。

youtubeで「1980s NBA full game」「1990s NBA full game」などで調べたら出てきますから。

なんなら70年代や60年代のバスケも一回見てほしい。

 

ピック&ロールだけじゃなくてオフボールスクリーンでもフリーを作る戦術。

選手がゴール下にカットしたり、そこからまた上がってきたりと流動的に循環するオフェンス。

ポジションごとの役割がハッキリしていてスペシャリストの選手たちが個性を存分に発揮している。

その個性が絡み合うことでチームオフェンス、チームディフェンス、コンビネーションが生まれる。

監督によって戦略が違い、選手たちの長所を引き出し合い、短所を補い合うスタイルで戦う。

いつ、どこで、誰がシュートを打つのかのセレクションを感じながら攻めるオフェンス。

インサイドの選手がペイント付近でシュートを打つ。ポストプレーからのゲームメイク。

ガードもミドルレンジでフリーになる、スペースを作ってシュートを打つ。もちろんドライブもする。

狭いスペースの中でシュートを打ち切る、パスを通すスキル。

基本的にはペイント内、ミドルレンジを攻めてからここぞという場面でのスリーポイント。

タイトなディフェンス、タフなリバウンド争い。

 

 

どうやってシュートまで持っているのか?どうやって敵のオフェンスを守っているのか?

現代NBAだけを見ていては決して気づけないことがたくさんあります。

 

そして、実際に自分のプレーに生かせる部分が多いのも昔のNBAだと感じていて。

現代NBAはコートのあらゆるところにスリーを高確率で決めれるシューターが配置されているけど、自分のチームでは私を含めてNBA選手のようにスリーを決めれる選手がそろっているわけじゃない。

ディフェンス3秒ルールがあるNBAでは背の高いショットブロッカーがゴール下に留まれないけど、私たちが普段プレーしているFIBAルールだとゴール下ががら空きで簡単にレイアップを打てることは少ない。

ディフェンスもNBAだとファウルになるハンドチェックがファウルにならない。

 

昔のNBAのオフボールの動き、シュートセレクション、ポジションごとの役割分担、ディフェンスのやり方…

こういったものを見てイメージを掴むことがあなたのバスケの引き出しを増やす。

もし他人が昔のNBAを見ていないならそれだけで差別化になる。

 

 

ただ空いたからシュートを打つのではなく、もっと確率が高いシュートはないかを感じてパスを1つ捌いたりドリブル突くのを我慢したり。

 

泥臭くスクリーンを味方にかける、タイトで激しいディフェンスをする、リバウンドで身体を張る・飛び込みリバウンドに絡みにいく。

 

アウトサイドだけでプレーするのではなくゴールに向かってカッティングしたり、そこからスクリーンを使ってフリーでボールを貰ったり、ガードでもハイポストで受けて起点になったり、ミスマッチだったらローポストでボールを受けてみたり。

 

ゴールに近いところでポジションを取る、一旦スクリーナーになってからシールしてローポストでボールを受ける。

 

昔のNBAはそういったプレーが随所に現れています。

それを取り入れることでコービーが批判している偶発的なバスケットボールではなく、いつ・誰が・どこでシュートを打てば確率が高くなるかが分かるようになる。

構築されたバスケットボールをすればあなたのチームのシュート成功率も自然と上がって試合で勝てるようになる。

 

NBA選手のプレーをそのまま真似して練習では良かったけど、いざ試合になるとオフェンスファウルやトラベリングを取られるかもしれない。

現代NBAのスペーシングを形だけ真似してみるけどディフェンスが全然ズレない、フリーを作れない、ヘルプの準備が常に整ってしまっていて攻めることができない。

 

 

私自身、チームの練習で一番意識してること、試合中に感じていることは

 

どうプレーすればチームメイトを生かすことができるか?

このメンバーで点を取るためには、シュートの確率を上げるためにはどうプレーすればいいのか?

外で立っているだけじゃディフェンスは崩れない。狭いスペースを作るから広いスペースが生まれる。

アウトサイドばかりで単発になっているときはポストを起点に攻める、一旦中に入れてそこから展開する。

ガードでもポストプレーを仕掛けることでチームのオフェンスに幅が出てくる。

味方にスクリーンをかければその後自分がフリーになる。

派手なドリブルを突くよりもまっすぐ抜いていく、ボールを受けた時点で抜ける状況を作る。

ショートレンジ、ミドルレンジのシュートは味方もリバウンドに入りやすい。

スリーは諸刃の剣。決まればデカいがセレクションを誤ると外れたときに逆速攻を食らう、確率が低いスリーはターンオーバーと変わらない。オフェンスのペースが速くなりすぎて単調になる。

空いている味方、特に良いポジションを取っている選手がいたらパスを出す。

調子に左右されないディフェンスを頑張る、リバウンドに絡む。そうすれば自然とシュートも決まってくる。

ダブルクラッチやノールックパスなどの派手なプレーは気持ち良いが、それは必然的に・自然発生的なプレーにしか過ぎない。たまにで良い。無理に再現しようとするとミスになる。

 

もちろん、この全てが正しいとは思っていません。あくまで私の主観です。

 

ただ、他のチームの練習に混ぜてもらって即席のチームでゲームをしたりするときに3本連続で速すぎるタイミングでスリーを打って外して逆速攻を食らいまくるとか、ディフェンスを頑張ってオフェンスが始まったと思ったらスリーを打ってすぐにハリバックしてまたディフェンスとか、味方が完全にフリーになっても1対1でドリブルをこねまくる、スリーポイントラインに突っ立ってボールを待ってるだけでパスが出せない…

 

別にチームメイトでも何でもないし、各々が楽しむためにそれぞれのバスケ観でプレーしてるわけだし、私ももちろんミスはするし、偉そうに言える立場でもないし、基本的にはスルーして「よし、切り替え切り替え!今からがんばろ!」って心の中で唱えるんですけどね…(さすがに耐えきれないときは時間使おう!とか中にボール入れよう!とか一回切れて!とか言いますけど。)

 

 

何だかなあって思っちゃう。

 

バスケってそのチームで点を取ることが全てでスリーを打つこと、ドリブルで1対1を仕掛けることが目的じゃない。

チームの点が止まっているなら一旦、時間をかけて中を攻めてもいいんじゃない?

スリーよりも中でしっかりポジション取ってるセンターに渡したほうが確率高くない?

1対1を仕掛けるよりもさっさとフリーにパスしてシュートを打ったほうが簡単じゃない?

アウトサイドで止まってボールを受けるよりもカッティングしたりスクリーン使って動きの中でボールを貰ったほうがフリーになれるんじゃない?

 

行き当たりばったりのシュートじゃなくてチームメイトが納得できる、予測できるセレクションでシュートを打つ。

スリーやドリブル、1対1だけじゃなくてオフボールの動きやチームオフェンス、ディフェンス、リバウンドの楽しさを知る。

 

 

そういうところを感じることができるようになったらバスケがもっと面白くなるし、上手くなります。

それを学べるのが過去のNBA。

 

現代NBAだけでは見えないもの、失われたものが昔のNBAには確かにあります。